聴覚障害者向け「光火災警報」、空港や駅の大半で設置進まず

警報音が聞こえない聴覚障害者に、光の点滅で火災の発生を伝える「光警報装置」の設置が空港や駅で進んでいない。総務省消防庁が5年前に大規模施設への設置が望ましいとする指針を出したものの、未設置の拠点空港は6割に上り、新幹線の駅では8割を超える。海外では公共施設への設置を義務付けている国もあり、専門家らは国が積極的に普及を推し進めるべきだと指摘している。(中薗あずさ、板倉拓也)

日本の空の玄関口・成田空港。2016~20年度にトイレや授乳室、喫煙室など、周囲の状況を把握しにくい全ての個室(計253か所)に約1730個の光警報装置を設置した。

装置は、火災を感知すると一斉に白い光を点滅させる。ターミナルの一角にある授乳室(約18平方メートル)の場合、天井に3個あり、授乳時にカーテンで仕切っていても光に気づくことができるようになっている。

厚生労働省などによると、障害者手帳を持つ国内の聴覚障害者は約44万人に上るが、消防法では火災警報設備の基準は音以外にない。総務省消防庁によると、19年までの10年間に、聴覚に障害のある64人(聴覚と視覚の両方に障害がある人も含む)が火災で死亡した。

全日本ろうあ連盟(東京)は、光や振動を用いた装置の義務化を消防庁に繰り返し要望してきた。自身も聴覚障害がある有山一博理事(57)は「命を守るには視覚的に情報を把握し、すぐに避難できるような設備が必要だ」と訴える。

8割超が「有効」

 同庁が14年に空港や医療機関などで実施した検証では、聴覚障害者71人のうち、59人(83・1%)が警報音を「全く認知できなかった」と回答。一方、光警報装置を使用した場合、58人(81・7%)が火災の認知に有効だと答えた。

 同庁は16年9月、障害者団体や有識者らでつくる検討部会での議論を踏まえ、光警報装置の指針を初めて策定。義務化には至らなかったが、空港や駅への設置の必要性を明記した。

 国土交通省も17年、国際線の主要空港7か所に対し、障害の有無にかかわらず利用できるユニバーサルデザイン(UD)の推進目標を設け、トイレ内には光で緊急事態を伝える設備を整えるよう求めた。政府が今夏の東京五輪・パラリンピックに際して策定した行動計画に沿った措置で、ほぼ全てで目標を達成したという。

 ただ、読売新聞が今年9月下旬、この7空港を含む国内28か所の拠点空港に取材したところ、成田のほか、羽田や関西、福岡など11空港で設置されていたのに対し、熊本や宮崎、松山など17空港には装置がなかった。

「設置は世界標準」

 鉄道の駅も整備が進んでいない。今年9~11月の取材で、JRと大手私鉄16社の在来線で設置が確認できたのは、JR九州の熊本駅と、相模鉄道の羽沢横浜国大駅だけだった。全国に92か所ある新幹線の駅では、利用客の多い東京や名古屋、新大阪にはなく、九州、北陸、北海道の各新幹線の16駅に限られていた。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20211122-OYT1T50001/  : 読売新聞より引用

 

エナベルで就労移行支援を利用しているAです。

初めて知りました!!それは有難いですが、の点滅で火災の発生を伝える「警報装置」の設置が空港や駅で進んでいないのは残念ですね・・・・

健常者でも緊急時はどうせ騒動になるから、アナウンスなんか一瞬でも聞き逃してしまうんじゃないかな~と思いますし、障害者だけでなく、高齢者にとっては必要ではないでしょうか。

「聴覚障害」レベルまで行かなくとも、(高齢社会化で)耳が遠い高齢者も多くなっていますから、普及させていったほうがよいかと。

フラッシュランプ系の信号灯は明るくてもよく目を引きますよ~。(私の家にもインターホンの呼出を知らせてくれるフラッシュランプを設置しているので、本当にすぐ気づきます)

聴力レベルによってアナウンス音が聞こえても内容が全く分からない方もいらっしゃいます。

避難が必要な事態が起これば逃げ遅れるのを恐れる方はたくさんいらっしゃる、私もそう考えるだけでぞっとします。

ありとあらゆる障害に対応した設備を整えるのは限界あるから進まないなのかな?理由は明らかになっていないので、私にもわかりませんが、良い方向に進んでくれるとよいですね。

命に関わる事なので、「警報装置」の設置を義務付けて欲しいと思います。

Follow me!

  • X

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です