【高齢引きこもり問題】これから増える「生活保護受給未満、自立困難」な人たち
こんにちは、エナベルで就労支援を受けているОです。
45歳で障害者就労支援施設に通っているわけですから、私などは決して他人事ではないわけです。
生活保護まではいかないし、働く気もあるんだけど、いきなり就職は難しいという人は、団塊の世代ジュニアにとっては直撃していく問題だと思うのです。
厚生労働省 生活困窮者自立支援制度について
現在生活保護を受給していないが、生活保護に至る可能性のある者で、自立が見込まれる者
福祉事務所来訪者のうち生活保護に至らない者は、高齢者等も含め年間約40万人(平成23年度推計値))
(参考:その他生活困窮者の増加等)
・非正規雇用労働者 平成12年:26.0% →平成25年:36.7%
・年収200万円以下の給与所得者 平成12年:18.4% →平成25年:24.1%
・高校中退者:約6.0万人(平成25年度)、中高不登校:約15.1万人(平成25年度)
・ニート:約60万人(平成25年度)、引きこもり:約26万世帯(平成18年度厚労科研調査の推計値)
・生活保護受給世帯のうち、約25% (母子世帯においては、約41%)の世帯主が出身世帯も生活保護を
受給。(関西国際大学道中隆教授による某市での平成19年度の調査研究結果)
・大卒者の貧困率が7.7%であるのに対し、高卒者では14.7%、高校中退者を含む中卒者では
28.2%
この層は、これからはますます増えていく貧困層だと思います。
はっきり言ってこのpdfは読みにくいので、それをかみ砕いたサイトを紹介していきます。
生活保護の手前にできた、もう1つのセーフティネット「生活困窮者自立支援制度」
生活保護の手前にできた新しい制度
何かの原因で働けなくなったり、収入が途絶えてしまったりしたときに、生活を支えてくれる仕組みがセーフティネットです。
日本の場合、健康保険と年金が最初のセーフティネットになります。
例えば、医療費がかかった場合は、基本的には健康保険が7割を負担してくれます。また、働けなくなった場合には「障害年金」や「老齢年金」などが支えとなります。
また、最後のセーフティネットとして「生活保護」があります。「資産や能力等すべてを活用してもなお生活に困窮した」場合に、一定の保護費が支給されます。
しかし、「保険や年金」と「生活保護」の間には、大きな隙間があります。
その間を埋めるように、2015年にできた新しいセーフティネットが、「生活困窮者自立支援制度」です。
「生活困窮者自立支援制度」は、働く意思がある人を対象に、一時的に支援して自立をうながす制度です。
生活に困っていて生活保護に至りそうな人や、生活保護から抜け出した人などの利用が想定されており、再び働くための環境を作る支援を行ないます。
https://seniorguide.jp/article/1055651.html
●本当に困ったときは、相談する勇気を
「なんらかの理由があって、働けなくなったらどうしよう」という不安は、働いている人なら誰もが抱いています。
そういう不安に対して、貯金や生命保険などの自助努力で備えることも大切ですが、公的なセーフティネットが利用できる場合も少なくありません。
そして、公的な制度は、自分で申請しないと支援が受けられません。
なにかあったら、最初は勤務先の総務部門に、そこが不安なら健康保険の窓口や年金事務所、さらにハローワークや福祉事務所、自治体の福祉窓口というように、相談できるところはたくさんあります。
とりあえず、「いろいろな制度が用意されている」ということと、「イザとなったら勇気を出して公的な窓口で相談する」ということは覚えておきましょう。
しかし問題点もまだ多く、うまく活用されているとは言えない実情もあります。
仕事さえあれば、貧困から抜け出せるのか?~生活困窮者自立支援制度の問題点
2015年4月から生活困窮者自立支援法が施行されます。これにより、全国に約900ヶ所ある福祉事務所設置自治体に、生活困窮者向けの相談窓口が開設されます。
施行に先立ち、3月9日に厚生労働省の講堂で開催された「社会・援護局関係主管課長会議」で、厚労省はかなりの時間を割いて生活困窮者自立支援制度の説明をおこない、新制度にかける意気込みを示していました。
https://www.huffingtonpost.jp/tsuyoshi-inaba/poverty_b_6890610.html
中間的就労では、一部で最低賃金の適用を除外するプログラムが組まれる予定です。ここに悪質な業者が入り込んで制度を悪用することが懸念されています。生活困窮者が劣悪な労働に従事させられ、労働市場全体の劣化を招く危険性があるのです。
また新制度では、就労による自立を支援することに力点が置かれているため、経済的な給付がほとんどありません。住宅手当は離職者に対してハローワークでの就労支援を受けることを前提に賃貸住宅の家賃を補助する制度ですが、原則3ヶ月間(最長9ヶ月)という期限付きであるため、再就職までの一時的な支援という性格が強いものです。
住宅手当の2009年10月~2014年3月における支給決定件数(延長決定分含む)は15万4493件でした。これは生活保護の手前のセーフティネットとしてはあまりにも貧弱だと言わざるをえません。
今後、団塊の世代ジュニアの引きこもり、離職、ワーキングプア化などを考えるともっと活かされるべき制度ですが、今は問題点も含めて話題にすらなっていないというのが実情のようです。
「いきなり生活保護」の前に、もう少しマイルドなセーフティネットの存在はこれからとても大事になっていくことだろうと思います。