【発達障害】発達障害の診断は医者次第?
発達障害の診断は医者次第? 境界線のグレーゾーンで苦しむ人々
近年、メディアで“発達障害”が取り上げられる機会が増え、関連の書籍も数多く発売されるようになってきた。こうした風潮があるからこそ、「もしかして自分も発達障害なのかもしれない…」と思い悩んでいる人もいるのでは? そんな方にぜひとも読んで欲しいのが、斬新な着眼点のもとに書かれた『発達障害グレーゾーン』(姫野 桂:著、OMgray事務局:協力/扶桑社)だ。
著者の姫野氏自身も発達障害者。そのうえで長年にわたり、多くの発達障害当事者に取材を重ね、2018年の夏には発達障害者たちの叫びをまとめたルポルタージュ『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(姫野 桂:著、五十嵐良雄:監修/イースト・プレス)を刊行した。
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発達障害の診断には「ここからが発達障害で、それ以外は健常者」という明確な線引きがない。発達障害は身体障害とは異なり、周囲が障害の程度を100%理解することが難しい。そのため、医師によって診断結果が異なり、発達障害の傾向はあっても、医師からの診断がくだされない人が出てくる。
私も明らかに多動性の発達障害ではないかと思うのですが、医師の前ではわりと普通のうつ病なので多動性障害な面を見せられないので発達障害とは診断されていません。
それ以前に発達障害のまま社会に出て、かなり変わり者扱い、異常者扱いはされてきましたし、逆にそれに慣れてきてしまっているという面がありました。
幸い、フリーライターという職業ではそういった多動性の障害がネックになる事は少なかったですしね。
しかし、世の中にはやはり「診断されてもらえないままグレーゾーンで苦しんでいる」という人は多いと思います。薬を処方してもらえれば……医師に診断してもらえれば……少しは楽になる人も多いでしょう。
しかし、私が現役であった時代には発達障害という言葉はまだなかっですし、近年になってようやく病として認知されてきたばかりです。
まだまだ医師の診断の基準もあいまいですし、社会の理解も進んでいるとは言い難い状況です。
近年は、芸能人の告白も相次いでいるためか、発達障害であると他に突出した才能があるのではないかと誤解している人も多い。しかし、それはほんの一握りで、多くの発達障害者は言葉にできない生きづらさや周りからの心無い視線と闘っている。それはグレーゾーンの人たちにも言えることだ。
診断の有無に関わらず、彼らが抱えている痛みや苦しみがより多くの人に正しく伝わり、発達障害という状態が優しく受け入れられる。渾身のルポルタージュを読むと、そんな世界になることを祈りたくなる。
発達障害だけでなく、グレーゾーンに生きている人、変り者や異常者と言われている人に、少しでも理解のある社会になっていくことを切に望みます。
自分はもうそれで困るような社会人としての時代は過ぎてしまいましたが……、