地方では老人と障害者の重要な足~路線バス問題~
NHK特設サイト 路線バス
今、全国の路線バスが大変なことになっています。
運転手不足で、赤字路線だけでなく、大都市部の黒字路線までも減便・廃止せざるをえない事態になっているのです。
NHKのニュースサイトでは、バスをめぐる現状について記事を掲載してきました。
これまでに掲載した記事が一度に見られるよう、特設サイトをつくりました。
NHKでは今後も地域の足である路線バスをめぐる記事などを随時、掲載していきます。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/bus/?utm_int=news_contents_special_002
地方で障害者をやっているとイヤでも気がつくことがあります。
それは、地方ではマイカーを持っていないのは学生と障害者と老人ばかりという事です。
したがって、電車が細かく整備されていない地方では、路線バスが重要な足となるわけですが、やはり毎日路線バスで通勤していると、周囲は老人ばかりですし、若い人をみかけても障害者手帳を差し出す人ばかりになっています。
このように学生と老人と障害者の重要な足になっている路線バス。
しかし、今は若者の減少と賃金のやすさなどが重なって、赤字だけでなく運転手不足で廃線となっていく路線が増えています。
これを企業の努力不足と考えるのは思考停止と言うべきでしょう。
主な顧客が学生と老人と障害者……つまりはみんな割引での乗客ばかりなのですから、根本的に赤字になりやすい、そのため運転手の賃金も安くせざるを得ないという構造的な不況に陥っているわけです。
これを解消するには、自動運転バスの実用化とか言われていますが、それが間に合うかどうかは疑問です。
現時点では、バス専用車線や運賃の完全な電子化などによって、少しでも路線バスの運転手の負担を減らすのがだいじなのではないでしょうか?
少なくとも定期券が電子化されていないのも不思議ですし、障害者や老人用のICカードがないので、いちいち運転手が割引運賃を手作業で手帳を確認する作業が必要になっています。
やはり老人用割引や障害者手帳のICカード化なども必要となってくるでしょう。
弱者の足がなくなるという事は、逆にこれから増えていくであろう老人や障害者たちが、社会参加を制限され、結果的に生産性も消費者としても制限されて「ますます社会のお荷物」にされていくという事になっていき、結果的に社会全体の負担が増えるという事になります。
少しでも社会全体の負担を減らすために、老人や障害者たちの社会参加を促すための電子化は、今後どんどん進めていくべきだと思います。
そして、障害者や老人たちも電子化に抵抗せずに、自分たちの利便性のためにと我慢して、電子化に対応していく必要がでてくるのだと思います。