【アルコール依存】自己肯定感の低い人に酒は魅力で魔力
若い頃から自分の肥大した自我と、何者でもない自分に対する自己否定の間に揺れ動いていて、基本的に自己肯定感の低い人間だったと思います。
その上、18歳で上京してアスキーという会社にバイトとして入ったとき、バイト経験もなかったし、中高と男子校だったので女性との距離感がとれずにいたり、茨城訛りをバカにされたりして、かなり孤立していました。
基本的に自己嫌悪と肥大した自我の整合性が取れず、自分はこの世界にいていいのか? とばかり考えていました、重度のオタクだったし当時はネットもなかったので同じ趣味や嗜好の人と話す機会もなかったのです。
そんな私にとっては酒を飲んでみると、途端に世界が優しく感じられるようになったわけです。
さらに、酒が入ると流暢に人当たりがよくなるので、酒が入っていたときの方が人に好かれやすいと勘違いしてしまったんですね。
そんなの幻想で自分が好かれていると思い込んでいたのと、酒による自己肯定感の補助で錯覚していただけなんです。
そのせいでどんどん酒に深入りしていって、ほぼ外出するときは常時酒が入っているような状態になるのはすぐでした。
これなんですよね、酒というのは自己肯定感の低い人、自分の意識と現実の評価のギャップが激しい人にとっては、その間を錯覚でもいいから埋めてくれる存在なのです。
自分が惨めなのを直視できない、したくない人にとって、酒は甘く囁いてきます。
「お前は天才だ」
と。そして自己肯定感の塊になれる快感は何者にも代えがたいものがあります。
酒がなかなかやめられないというのは、酔うというよりこの自己肯定感の快感が大きいという人がかなり多いと思います。
しかし、酒がもたらすのはあくまで錯覚であって、その自己肯定感は他人から見れば滑稽であり迷惑なだけだったりするのです。
自分は大した存在ではないし、惨めであるという事を直視できるようにならないと、酒はなかなかやめられないのかもしれません。
私も45歳になってやっとその現実を、なんとか自分なりに受け止められるようになって、今酒を断っております。
厳しいですが、自我と現実のギャップを直視しないと、酒という心身をイコしずつ確実に侵していく飲み物には勝てないと思います。