日本の福祉は声を上げないと動けない
今回は、少しまじめな話をしましょう。
こんにちは、エナベルで就労支援を受けているОです。
とはいえ、日本の福祉行政や政府などに対する批判の意図はなく、ただただ現実だけを述べたいと思います。
結論から言いますと、この国の福祉はちゃんと調べて、「助けてくれ!」と役所に相談すると、驚くほどいろいろな支援のシステムが整っており、意外と手厚い支援を受けられるという事です。
個人的な体験からまずお話しますが、私は先日まで障害者対象の求人で、清掃のアルバイトをしておりました。
しかし、その職場環境や労働条件はずいぶんと酷いもので、水戸のその建設会社の事務所に出社してから、軽バンに乗せられて筑西や牛久の現場に2時間もかけて移動し、8時間の清掃作業をし、帰りも2時間かけて事務所まで帰っていくというものでした。
実質、拘束時間は12時間以上(さらに遠い現場のときもあり14時間になるときもありました)もあったのに、貰える日当は(8時間労働として計算されて)7000円というものでした。しかも、ほかの人は日当8000円で、まったく同じ作業をしているにも関わらず(私の方が多大な作業を担うことも多かったです)障害者という事で1000円差し引かれていたわけです。
職場環境も最悪に近く、事務所の屋根裏に何人かの人が住んでいたり、乗せられている軽バンもヘッドライトが故障したまま放置されていたりするなど、ぶっちゃけて言うと「昭和のタコ部屋が現存していた!」と感心してしまうような所でした。
私のほかにも、精神障害者や知的障害者の人が何人も働いていましたし、正直言うと「障害者枠で方応募してくる障害者を安くこき使っている」というのが実情でしょう。
さすがに、半年は続けましたがあまりにも割に合わない仕事であり、どう考えても社会復帰には遠くなる一方だったので、他に仕事を探して、障害者枠での求人で見つけたのが、この合同会社ハーモニーワークス・エナベル水戸、だったわけですが、これも偶然でした。
そもそも、その時は就労移行支援や就労継続支援などの制度も知らず、ただ時間と職場の駅からの近さに惹かれて応募しただけで、面接のときにようやく就労移行支援や就労継続支援の制度を教えてもらったほどでした。
そして、現在は建設的にいろいろなプランを用意してもらって社会復帰や一般就労を目指しているのですが、このまま就労移行支援や就労継続支援などを知らなかったら、また同じような職場にはいっていたかもしれません……。
これなんですよ、日本では障害や環境などで苦しんでいる人がたくさんいると思いますが、行政はそういう人に自主的に手を差し伸べてくれることはありません。そのことは基本的人権やプライバシーを尊重していることと表裏一体なので、仕方がないとも言えます。逆に福祉のために行政や政府がいろいろと強権を振るったら、それはそれでよくないことになるのですから。
障害者手帳についても書きましたが、障害者手帳を給付されることによって、障害者枠での求人を探せることや、就労移行支援や就労継続支援などを受けることもできますし、定期券が3割安く買えたりします。
就労移行支援や就労継続支援についても、その制度を知らなければ、事業所を探すこともできないわけです。しかし、調べてみると、水戸だけで就労支援を行っている事業所は50以上もありましたし、就労支援相談員という人がマンツーマンで就労への相談に乗ってくれたりします。
以前働いていた職場でも、知的障害者の方や精神障害者と思われる人が酷い労働条件で働いていましたが、こういう制度を知っているだけでも、その人たちももう少し楽な条件で働けたりしたと思います。
現在、ニートや40-50代ロストジェネレーションの無職が大変な数に上って社会問題になっていますが、そういう人たちも、いきなり生活保護とかもらうよりも、少しでも生産的な活動をして社会復帰を目指せる糸口があれば、かなりたくさんの人が社会復帰できるのではないでしょうか?
実際、お金をもらいながら職業訓練ができるという事を知らない人も多かったりします。
確かに、役所に行ったり、いろいろな手続きをするのては大変なことですが、やはり困ったことが起きたら地元の役所に相談に行ったり、ネットなどで調べたりするのは大事だと思います。
この国の福祉は、声を上げないと動いてくれませんが、声を上げれば案外いろいろな支援システムが整っていて手厚かったりします。
面倒がらずに自分にかかわりがありそうな福祉制度については調べておかないと、いろいろと不利になる時代になっているのかもしれません。