【障害者雇用】数合わせだけですませてはならない
省庁障害者雇用 安定的に働ける環境作り急げ
政府は、法定雇用率を達成するため、2019年末までに約4000人を追加採用する計画だ。
重要なのは、受け入れ態勢の整備である。数合わせの強引な大量採用では、職場への定着は難しい。雇用率の早期達成を目指すのは当然だが、職場の状況に応じて丁寧に進める必要がある。
法定雇用率の引き上げに伴い、企業の採用も活発化している。個々の特性に合わせて仕事内容や就労時間を工夫し、働きやすい環境作りを進める企業も多い。省庁が民間から人材を奪うようでは、雇用拡大にはつながらない。
民間で低調な精神障害者の採用を推進するなど、公的機関にふさわしい役割を果たすべきだ。
読売新聞社説
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20190217-OYT1T50187/
こんにちは、エナベルで就労支援を受けているOです。
読売新聞で「数合わせで終わらせてはならない」と書いてありますが、「どーせ数合わせに終わるんだろうなー、数合わせと辻褄合わせに腐心するだけなんだろうなー」という不信感が拭えないわけです。
最後の行にもありますが、民間企業ではすでに「働かせやすい」知的・身体障害者をそれこそ「数合わせ」で取り合いしていて、最近増えている精神障害者の雇用は低調になっているという事実があるわけです。
こんな記事がありました。
精神障害者の採用、売り手市場に 雇用義務化前に動く
「精神障害者を必ず雇わなくてはいけない」という法律ではありませんが、現実には企業に変化を迫っています。身体障害者は約33万人、知的障害者は約11万人が企業に雇われており、ほぼ横ばいで飽和状態にあるとされます。しかし、精神障害者はまだ約5万人。雇用率を上げようとすれば、精神障害者の採用を増やす必要があるのです。
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO25455460Z00C18A1EAC000?channel=DF010320171966
以前に比べれば精神障害者の雇用も義務付けられた事によって、精神障害者の雇用状況は良くなっていると言えるでしょう。
「企業にとって精神障害者を採用するハードルは高いでしょう。それでも法定雇用率が上がっていく中で、避けては通れません。ノウハウがない企業が多いので、そこは『ジョブコーチ(職場適応援助者)』がサポートしていく体制を国が整えています。企業側の努力も欠かせません。精神障害の場合、ストレスに弱いことも多いので、仕事量を調節したり話を聞いたりして目をかける必要があります。キャリアアップの道筋も考えていかなければなりません。働く以上、成長したいというのは健常者も障害者も変わらないのです」
大部分の企業にとっては仕事の効率などは別として、安定して働くことのできる知的・身体障害者の方が雇用しやすいという現実があります。
しかし、それらを乗り越えて環境を整備しながら精神障害者にもできるだけ安定して働ける、継続して働ける環境づくりが大切になっていると思います。
障害者雇用枠が拡張され、少子高齢化に伴う人手不足が深刻になっている現在、障害者雇用というものは知的・身体・精神の区別なく、働きやすい環境整備をすることによって、少しでも人材を活用する事が大切になってくると思います。
その先鞭をつけるべきなのはもちろん障害者雇用の水増しが問題になった政府機関、地方自治体なのは言うまでもありません。本来ならば、彼らが民間企業の模範になるべきなのですから、名誉回復のためにも前向きに動いてほしいものだと思います。
「障害者にとって働きやすい企業や機関は健常者にとっても働きやすい」
そんな社会になってくれるといいですね。
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