【発達障害】人それぞれの働きやすさを
発達障害を職場に告白も「トロい」
続くハラスメント、進まぬ理解
希望通りだった。福井県内の福祉施設に新卒でUターン就職できた。自分に向いていると思っていた、利用者と接する仕事を任せてもらえた。
しかし、3カ月で上司に向いていないと判断され、事務に配置換えになった。「ひょっとしたら」と精神科を受診し、発達障害と診断された。
30代の大輔さん=仮名=は、小学生の頃から同級生とうまく交われず、仲間外れにされることも多かった。「興味の範囲が狭く、しかも人とずれているから話が合わない」。県外の大学に進学して始めたアルバイトはどれも長続きしなかった。「『ありがとうございます』の言い方がふざけていると怒られた。そんなつもりはないのに」
大学の実習先だった老人ホームでは、利用者とうまくコミュニケーションできたと手応えを感じたが、就職して実際に働いてみると、利用者や上司の要求に臨機応変な対応ができなかった。「一度に頼み事を複数言われると、どれか一つは忘れてしまう」。両手を前に出して視野が狭くなるジェスチャーをしながら「こうなっちゃうんですよ」と淡々と語る。
https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/835037
「目の悪い人が眼鏡をかけるように、周りの音が気になって集中できない特性がある人には防音ヘッドホンを認めるなど、個々の苦手なことに配慮することこそが『公平』だ」。
「障害は個性だ」などという美辞麗句を言うつもりはありません。
しかし、人はだれでもそれぞれ働きやすい環境や能力があるわけで、今までの「人余り」の時代であったなら、そういった「人とは違う」人たちを排除して画一的な人使いをしていても企業側はなりたっていったでしょう。
排除される側はたまったもんじゃありませんが、それでも現実として人余りの時代は、そのような画一的な就労環境がまかり通っていたのが現実です。
しかし、これから少子高齢化で人手不足が深刻になっていく今は、限りある人材をできる限り活かしていかねばならなくなっていく時代です。
企業側は「障害者だから」というわけではなく、「人手不足なのだから人材を無駄遣いしないようにする」ために、さまざまな職場環境や就労状況の改善を行うのが『企業のため』であり『社会のため』なのだと思います。
「障害者だから」ではなく「人手不足になっていく時代に向けて」これまでの就労環境への意識を変えていく必要があるのだと思います。