【エナベルの本棚】『風雲児たち』 みなもと太郎

幕末というより江戸時代とはなんだったのか? と考察し続ける歴史絵巻『風雲児たち』

幕末の話をしているのに、まだ『風雲児たち』シリーズを全巻読破していないの? えー、それじゃあ読んできてよ、そこから話そうか。

というぐらいにマストバイな幕末マンガです。

もう幕末の尊王派が好きだとか新選組が好きだとか佐幕派が好きだとかそういう好み抜きで、幕末を語るなら読んでないと語れないよねってレベルに読むべきマンガです。すでに幕末のマストアイテムと言ってもよい(断言)

幕末史を語るために関ヶ原から始めるという史観は司馬遼太郎の影響を受けていると作者も語っているけど、それが「本当に関ヶ原から始めて江戸全部描くやつがあるか!」という具合に江戸時代の政治史や蘭学史まで、いろいろやむにやまれず飛ばしたところはあるものの、関ヶ原の戦いから幕末に至るまでの流れをほぼ通史として読むことができる、、ほぼ唯一のマンガであり、本としても貴重な書物になっています。

そして、丹念に取材を重ねた幕末史が「幕末編」にて描かれ、どうして幕末というものがあれほど混乱していったのか? がよくわかります。

このみなもと太郎という作者のスゴイところは、常に最新の学説の資料を集め、資料が新しくなればためらいもなく描いた説を変更していくところにあります。そのため、常に幕末史の新鮮な部分を読むことができます。

また、逆に時事ネタをよく扱うので初期の頃の作品は今の人にはわからないネタなどが含まれていますし、今の艦これやまどマギといったオタクネタもためらいもなく入れてくるので、昭和や平成の風俗史として通用するようになっているのがすごい。

とにかく歴史好きならぜひとも読んでほしいマンガなのです。

昔から私はこの本の愛読者だったのですが大出版社から発売されているマンガではないので、地元の本屋にはなかなか置いていないことが多かったのです。しかし、今はこうして、ネット書店から買うことができる! いい時代になったものです。

正直、私の感想などよりamazonのリンクのほうが重要!

ぜひ読んでください!

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幕末編

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外伝

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