【エナベルの本棚】『中国古代史研究の最前線』佐藤信弥

今すごい速度で書き換えられている中国史『中国古代史研究の最前線』

こんにちは、エナベルで就労支援を受けているOです。

歴史好きという人の中にはけっこう中国史が好きだという人がいます。

三国志や秦漢や清末期とかモンゴルとかダイナミックなスケールの歴史に魅了されている人は多いでしょう。

そんな中国史好きの歴史マニアでも、実は数十年前の中国史の常識で中国史を認識している人がほとんどだったりします。

かくいう私が三国志のライターとして、いろいろ三国志のことや中国史の事などを書き散らしてきたわけですが、この本を読んで「あれ? 俺の知っている『中国史』って認識古いのか?」と思い知らされました。

だいたい我々が認識してる中国史は、『史記』や『漢書』や『春秋左氏伝』といったものからだったりするわけですが、そういった文献的資料が、今どんどん中国では考古学会からそれらが裏付けられていたり、新発見があったりしていて、今日本で手に入る文献だと完全に時代遅れだったりするんですよ。

「中国古代史なんてもう古い(2-3000年前)!」っていう冗談が真面目に取り組まないとならなくなっていたりします。

本書ではそういった考古学的発見を元にした文献との比定などから、今まで常識とされてきていた中国史を、新しい認識にあらためさせてくれます。いや、本当自分の知っている中国古代史がいかに古いものであったか思い知らされました。

けっこう三国志ファンの人も多いですし、そんな人も漠然と知っている秦漢の成立について、今の研究がどれだけ進んでいるか、第四章の「統一帝国へ」を読んでうなされました。

そしてこの本の白眉と中国史のホットさは、すでにこの本ですから時代遅れになっているほど、現在中国では大規模な考古学上の発見が続いているということです。そう、この本から更に最前線が続いているほど、今の中国史は常に常識が書き換えられているのです。

そんな中国古代史の今に追いつくために、本書は必読の書と言えるでしょう。

中国古代史は今は追いつくのが難しい進捗が著しい分野になってるのでした。

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