【エナベルの本棚】『なんで生きてるかわからない人 和泉澄25歳』あぬ

生きたくもなし死にたくもなし『なんで生きてるかわからない人 和泉澄25歳』

「親も無し 妻無し子無し版木無し 金も無けれど死にたくも無し」と詠んだのは、江戸時代の国防学者林子平でしたね。

とにかく世の中閉塞感がすごい。

政府が景気が良いといっても、まったく賃金が上がらないし、ちょっとしたことでリアルでもネットでもたたかれて、かといって未来が希望に満ちているかと言えば少子高齢化が進む一方で絶望に満ちている。

そんな時代に生きているのは苦しいですが、かといって死ぬのは苦しいですし、上手く死ねるかもわからない。死ねずに重大な障害を抱えるのも辛いですしね。

そんな時代に、なんのために生きているかわからない主人公の和泉澄さんが、懸命に、いや、ローテンションにただ生きるだけ。

よくわからないけど、涙しながら、こう低調に生きていくマンガです。

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もりあがりもなにもありません。

でも、なんかこの気持ちわかります。

あるよね、こういうのって……

私、この受け身の低調さがすごくすきなんです。

あー、だれか助けて欲しい。

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