【ひきこもり問題】外に出ること自体が大変

「引きこもり」にやさしい喫茶店が地域共生の中心地になった理由

引きこもり」の居場所に
集まった意外な人々の素顔

 街の喫茶店を経営する引きこもり経験者の家族が、別の引きこもり経験者と看護師の3人で会を立ち上げ、喫茶店内に「居場所」を開いたところ、当事者や支援者に混じって地域の高齢者たちも参加するなど、店から溢れる人が出るほどの盛況ぶりとなった。

 意図していたわけではないものの、国の目指している“地域共生社会”を具現化してしまったような交流の場で、喫茶店に生まれた“引きこもりプラットホーム”だったとも言える。

 店の中に居場所を開いたのは、横浜市瀬谷区で喫茶「バス通り」を夫婦で運営している青木貴子さん(50代)。3人で立ち上げた会の名前は「ゆるり瀬谷」で、「他の参加者を批判しない」「あらゆる勧誘を禁止する」などのルールを設けた「ふらっとカフェ」としてお茶などを用意し、2月10日に「第1回ゆるり会」という居場所を開いたところ、想定していた「15人以内」をはるかに超える40人余りの人が参加したという。

https://diamond.jp/articles/-/194691

この記事でとても大事だなと思った事がありました。

青木さんが会を立ち上げたきっかけは、引きこもって苦しんできた家族を見て、従来の「ひきこもり就労支援」に疑問を感じたことだった。

「社会に出て心の傷を負ったり、生きづらさを感じて引きこもったり、精神を病んで障害者に認定されたりしている人たちに、もう一度原因をつくった社会に逆戻りさせて“就労しなさい”というのはヘンな支援だなと、ずっと感じていたのです。なぜこの人たちに意向を聞いて、できるものを提供しないのかなって」

引きこもりの問題は、当事者がまず「部屋を出る」や「家を出る」という事が大事(おおごと)だという事です。

私も引きこもっていた当時は、もよりのコンビニに行くこと自体が大事件で、もう一日の行動力を使い果たした気分になってしまうというわけです。

対比的ですが、こんな記事もありました。

不登校、引きこもりの若者 県支援 昨年参加、わずか11人

一方で、利用が伸び悩むのが、復学や社会復帰を支援する「若者支援プログラム」だ。四月から毎週木、金、日曜の午前十時~午後一時五十分に開催している。だが周知不足から、現在は二人が使うにとどまる。参加者が使う部屋は常に閑散とした状態だ。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/list/201902/CK2019021802000138.html

引きこもりの人や不登校の人に「来い」と言ってもくるわけがないんですよね。

しかし、決して引きこもっている人たちは社会参加を絶対にしたくないというわけではないと思います。孤独感は当然感じているでしょうし、このままではいけないという焦燥感だってあります。

そんな人たちのために、「ちょっと楽しい、居心地のいいところがあるから来てみない?」とできるだけ低ストレスで部屋を出ること、外に出ることを促す場所はとても必要なんだと思います。

人間、そう簡単に変われるものではありません。

だいたい健常者で会社に勤めている人だって、いきなり「今通っている会社から別な所通ってもらう」とか言われたらパニックになります。

環境を切り替えるために少しでも心の準備や体の準備をするのに手間がかかる人がいるというだけなんだと思います。

ですから、この喫茶店のように、「ちょっと気軽にきてみない? なにもしなくていいから」と言ってくれるような施設は、引きこもりや高齢ニートなどが問題になっている時代必要とされているんだと思います。

いきなり就労支援もつらいという人も多いでしょう。

それでも、少しでも外に出たい、今の自分を替えたいという人への緩衝材になってくれる所が増えていくのが、より良い社会なんだと思います。

 

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