【引きこもり】父の遺体放置に年金不正受給で逮捕、「引きこもり」58歳息子の複雑な胸中

引きこもっていた58歳息子が父の遺体を放置した理由

「元々対人恐怖の傾向がありました。母が少し前に亡くなり、しんどい状態のときでしたので、動きたくても動けませんでした」

7月15日、東京地方裁判所の414号法廷で開かれた証人尋問。亡くなった父親の遺体をおよそ7年にわたって放置し、年金も受給していた――。詐欺容疑で逮捕された都内に住む無職の男性(58歳)は、関係各所に父親の死亡を届け出ず、遺体を放置した理由を聞かれて、そう打ち明けた。

被告と同居していた父親は、2012年6月に亡くなった。生前は、父親の年金だけで生活していた。しかし、被告は父親の死亡を届けることなく、19年6月に発見されるまでの間、約1200万円の年金が受給され、そのうちの180万円余りを自分の口座に入金していたという。

百寿の祝いで訪ねた役所職員が不審に思って警察に通報

父親は生きていれば100歳になる予定だったため、百寿のお祝いを持って訪ねてきた役所の職員が不審に思い、警察に通報した。

「朝、起きた時、父は息をしていなかった。心臓マッサージをしたけれど元に戻らず、そのまま布団の上に寝た状態でした。1階に放置していたら分かってしまうと思ったので、遺体を2階に持っていって布団で巻きました」

髪を短く切り、黒色の上下のジャージ姿で被告席に立った男性は、そう淡々と説明した。

長男として生まれた男性は、高校を卒業後に就職したものの、仕事を辞めた。父親が病気になった後、母親とともに介護をしていたという。その後、11年に母親を病気で亡くしてからは1人で父親の面倒を見ていたようだ。

「最初の頃は、仕事を辞めて少したってからまた就職しようと思っていましたが、親の介護をしていた状態で、定職に就くことができませんでした」(男性)

冒頭陳述によると男性は、父親の死を届け出ると年金収入がなくなって生活ができなくなると考え、役所の職員や近所から父親の所在を質問されても、「大丈夫」などと言って知らせなかったという。

ただ、男性が実際に使った生活費は、30万円ほどだった。

「皆さまには、ご迷惑をおかけしました」と反省し、全額を弁済する意向の男性。「いま振り返ってみて、父親の死を早く役所などに言っておけばよかったという気持ちはありますか?」とあらためて尋ねられると、こう答えた。

「気持ちはありますけど、仕事のときにあったいろいろなことを考えると、あの時点では、できる自信はなかったです」

裁判は、検察側が懲役2年を求刑。弁護側は執行猶予付きを求めて結審した。

子が親の遺体を放置した事件は2019年に最低でも38件

この事件と同じように、亡くなった親の遺体を放置したとして無職の子が逮捕された事件について、全国紙や地方紙、テレビの全国系列の報道を筆者が調べてみたところ、19年1月から12月までの1年間に、少なくとも38件も発生していることが分かった。同様の事件は、新型コロナウイルスの感染が拡大した20年以降も続いている。

「どうしていいか分からず、放置してしまった」(大阪府の52歳男性)
「急に1人になるのが怖くて、親から離れたくなかった」(都内の61歳男性)
「母親から『自分が死んでも誰にも言うな』と言われていた」(都内の57歳女性)
「母を亡くしたショックで、どこに相談していいか分からなかった」(福島県の57歳男性)

「なぜ親の死を報告できなかったのか?」と尋ねられ、当事者たちの多くから、親より頼れる人は他になく、うまくやっていける自信がない。そんな1人取り残されなければならなくなったことへの恐怖や寂しさが伝わってくる。

恐怖の要素は、人それぞれだ。それを1つ1つひもといていくには、自分の心を客観視して受け入れる膨大な作業と時間に付き合ってくれる第三者の存在が求められる。

冒頭の被告男性を傍聴席から見ての推測だが、その不器用な受け答えから、元々人と話すことが苦手な特性の持ち主なのだろう。彼なりに頑張って答えていたように思うし、お金が目的だったわけではなく、親の死を言い出せないままタイミングを逸してしまったのではないかということが、何となく感じられた。

彼の弁護人は貧困などの理由がないと選任できない国選弁護人ということもあり、男性が今後も生活していくには、地域の誰かのサポートが必要だろう。

コロナ禍で「8050問題」の深刻化が懸念される理由

引きこもっている子を持つ親の中には、「明日はわが身」と思う人もいるかもしれない。ただ、だからといって、引きこもっている子を外に引っ張り出さなければいけないという話では、まったくない。本人の意思を無視してそんなことをすれば、トラブルや事件の基になり、親への不信感を募らせるばかりか、死のリスクもある。

家族が元気なうちにできることは、家の中で本人たちが大事にしてきた思いを尊重し、1人になっても生きる希望を持てるような情報を提供して、社会的距離を取りながら見守ることだと思う。それに加えて、自分の中の不安を客観視するために、家族以外の他者と直接話ができる関係性が必要だ。

今後、コロナ禍による「8050問題」の深刻化が懸念される。支援の頼りとなる公的機関などとのつながりが事実上ストップし、「8050問題」に直面している家族がますます地域の中で取り残されていく恐れがあるからだ。

先行きの見えないウイズコロナ時代は、誰もが当事者になり得る。今後、困ったときに自分やわが子の支えになる人を誰か1人見つけたい。

https://diamond.jp/articles/-/245183 DIAMOND onlineより引用

 

エナベルで就労移行支援を受けています、ウサギのTです。

これはたまに報道されるニュースの一つですが、そのニュースの裏にはこんな複雑な話が。

これは4070、5080問題にも深く関係してくる話ですね。

引用先に、何故親の死の報告が出来なかったの問いに対しての答え。

「どうしていいか分からず、放置してしまった」(大阪府の52歳男性)
「急に1人になるのが怖くて、親から離れたくなかった」(都内の61歳男性)
「母親から『自分が死んでも誰にも言うな』と言われていた」(都内の57歳女性)
「母を亡くしたショックで、どこに相談していいか分からなかった」(福島県の57歳男性)

それぞれのショックとパニック状態が伝わってきます。死後、放置していると罪になってしまう日本。

だけど、置いてれる恐怖と不安でどうにもならなかったんでしょうね…。

引きこもりじゃない人も含まれるでしょうが、引きこもりの人にとっては、親というのはとても重い存在。良くも、悪くも…。

その親が急にこの世から消えてしまうわけですから、どうしていいのかわからなかったんでしょうね。

「動きたくても動けませんでした」っていうのは本心なんだろうな…って思います。

これからもどんどん増えていきそうなこの問題。

今回の問題も支えてあげる人がたった一人でもいたら違っていたかもしれません。

引きこもりだと余計難しいのでしょうけど、サポートは大切です。サポートがあったら、こういう結果にはならなかったかもしれないですね…。

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