【引きこもり】42歳男性引きこもり、家族と仲良しなら無害?「みんな、おかしいよ!」と姉は大泣き

いわゆる引きこもりで、実際に自室にカギをかけて閉じこもっている人は多い。
食事は廊下に置かれたものをひっそり食べて、家族も含めて他人とはディスコミュニケーション。
ところが、家族とは普通に会話をして、日常生活は問題なく送れている引きこもりもいる。

 

働かない弟、見守るだけの両親

花村美奈さん(45歳・仮名)は、地方都市で会社員として働いている。実家から車で2時間ほどの場所に一人暮らし。
趣味は海外旅行。健康で、やりがいのある仕事に就くことができているので、「独身だが、自分はまあまあ幸せだ」と思っている。

ただひとつの悩みは、実家で暮らす2歳年下の弟の慎吾さん(仮名)のことだ。
慎吾さんは「大人の引きこもり」で、もう20年以上、仕事をせず、外に出ることもほとんどない生活を送っている。

2人が生まれ育ったのは、大きな団地。
第2次ベビーブームで同世代の子がたくさんいたため、年齢の違う友達が大勢入り混じって遊ぶようなにぎやかな環境だった。
父は出張が多くて家に不在がちだったが、祖父母も近くに住んでおり、母も子も寂しい思いをしたことはなかった。

「両親は勉強しろとうるさくいわず、伸び伸びと育ちました。弟も、高校に入るまではごくふつうの子どもでした」(美奈さん)

それが高校1年生のある日突然、不登校になった。
なぜ行きたくないのか、家族が聞いても弟は何も言わない。
休みが1カ月、2カ月と長引くようになり、母親は学校に呼び出されて話し合いをしたが、らちがあかず、そのまま高校を中退することになった。

弟は20歳になったころ、「専門学校に行く」と言い出して、県外で一人暮らしをしたことがある。
家族は「ようやく歩き出した」と大喜びしたが、たった1年で戻ってきてしまった。そのあと、バイトをしたが、続かなかった。

「30歳くらいの時に、近くのコンビニに履歴書を出したらしいのですが、落とされてやる気をなくしてしまったみたいです。
それからは、就職活動も一切やめてしまいました」(美奈さん)

母親は、そんな息子を責めることも叱ることもせず、優しく見守った。
カウンセリングを受けさせたり、地域のサポートセンターに相談に行ったりすることも全くなかったという。
父親はというと、弟との関係にはもともと距離があり、コミュニケーションが少なかった。
結局、両親は長い間、手を打とうとすることがなかったという。

引きこもりは、学校に通っているときは学校側が心配してケアをしてくれるが、学生・生徒でなくなると、家族が頼まない限り、第三者が積極的に関わってくれることはほとんどない。法を犯しているわけでなないので、誰かが当事者の元にやってきて「出てきなさい」「働きなさい」と、解決に向けて動いてくれるわけでもない。
家庭内暴力をふるう、精神疾患で治療が必要、外で事件を起こすなどの問題がない限り、他者の介入はなく、そのまま月日は流れていく。

 

姉からみて母は弟には甘かった すぐかばう

慎吾さんは、多くの引きこもりの人のように、部屋にカギをかけることもない。
ゲームに没頭することも、昼夜逆転することもない。
口数は少ないが、話しかければ普通に答えるし、朝、昼、晩と家族と一緒に食事を共にする。
頼めば掃除や洗濯など、手伝いもしてくれる。
それ以外の時間は、自分の部屋でベッドに座って、インターネットを眺めて過ごしているという。

盆や正月に、親せきの家にあいさつに行くときも、嫌がらずについてくる。
親せきの結婚式や葬式にも普通に出席する。運動不足のため少し太り気味だが、不健康というほどでもない。

うるさく言うことのない両親に囲まれて、毎日が平和に過ぎていく。
全く、家庭に問題はない。ただひとつ、慎吾さんが「働かない」ということを除いては。

慎吾さんは、それで幸せなのだろうか。

「友達はまったくいないですね。以前は音楽を聴くこともあったのですが、今はそれもなくなりました。
本も読まないし。一緒にお笑いのテレビを観ていても、私はゲラゲラ笑うんだけど、弟はニヤリとするだけ。
『声出して笑え、笑え!』って言うんですけどね」(美奈さん)

どうして、慎吾さんの親は今まで何も手を打たなかったのだろうか?

「さぁ……。たぶん、母は正直、弟が家にいてくれてうれしいという気持ちもあるんだと思います。
父の出張が多かったので、ひとりで暮らすより心強かったはず。
7~8年前に父が骨折して入院したときも、弟が家にいてくれるから安心だと言ってました。
それに、小さい時から母は弟には甘かったですね。今でも私が弟に何か言うと、すぐかばおうとするんです」(同)

 

「どうなってんの?」両親にも腹が立ってキレたが…

しかし美奈さんは、姉として黙っていられない。

「実家に帰るたびに、『どうなってんの?』『なにやってんの?』とつい弟を問いただしてしまいます。
でも彼は口をつぐんだまま。何も言わず、何もしようとしない両親にも腹が立って、この間は思わずキレてしまいました」

大泣きしながら家族に向かって「あなたたちはみんなおかしいよ!」と訴えたあと、部屋にこもって泣き続けてしまったという。

「そんな私に両親はおろおろしていましたが、結局何も変わらず。翌日からはまた同じ日常が繰り返されるだけでした」(美奈さん)

両親はいま、70代。生きている限りは弟の食事を作り、面倒をみてくれるだろう。
しかし弟が一生遊んで暮らしていけるほどの貯蓄はない。

「両親がいなくなったら、私が弟の面倒をみるしかないでしょうね。
私がいるのに生活保護を受けさせるわけにもいかないし。もう、覚悟しています」(同)

美奈さんはきっぱりと言った。

「自分の幸せを第一に考えて」と他人が言うのは簡単だが、そんなふうに単純にわりきれないのが家族というもの。仲のいい家族ならなおさらだ。

実は、美奈さんはつい数カ月前に、長年付き合っていた男性と別れてしまったという。

「誰かとお付き合いをしていて、将来を考えるようになると、いつも弟のことが頭をよぎってしまうんです。もう、結婚はしないかもしれませんね」(同)

そんな美奈さんの気持ちを、両親や弟は知っているのだろうか。
何かしら将来のことは考えてくれているのでは?と言うと、美奈さんは首を振りながらこう言った。

「母親に、『これから先どうするつもり?』って聞いたんです。
そうしたら、『大丈夫、私が慎吾より長生きするから』だって。楽天的すぎますよね」

 

仲がいいのは無害? 「何もしない」という選択の末路

筆者は多くの引きこもりの家庭を取材したが、今回のように親が何も手を打たなかったという家庭は珍しい。
多くは、なんとかわが子を自立させようと、公的、民間含めてさまざまなサポートを求めて奔走するものだ。

「自立してほしい」という親の切なる願いは、当事者にとってプレッシャーとなる。
解決を急ぐ過程で、関係が悪くなり、長期化すると親子ともに精神的に追い詰められてしまうことも。
説得してサポート団体の寮などに入れるには大変なエネルギーと費用が必要で、社会復帰には時間がかかる。

花村家では、「何もしない」という選択をして、あるがままの息子を受け入れた。その結果、いまは平和な日々を送ることができている。

このまま波風を立てないことが幸せ……。

筆者は話を聞いていると、深刻な中にも家族の絆が感じられて、しみじみとしてしまった。
こんな生き方だって認められていいのかも。女性なら、「家事手伝い」として堂々と家にいる人だっているではないか。

いやしかし、「勤労」は日本人の三大義務の一つだ。
それに、何よりも将来が不安だ。現在、5年以上引きこもっている人は、日本中に100万人以上いるといわれている。
きょうだい数の平均がだいたい1.7人とすると、70万人くらいの「引きこもりのきょうだい」がいることになる。

家族の形がさまざまだから、引きこもりの解決策もひとつではない。誰でも、自分の生き方を選ぶ自由がある。
ただし、それが家族の誰かに犠牲や我慢を強いるようなことになってはならない。

誰にも先のことはわからないし、花村家も、危機に陥ることなくこのまま逃げ切れるのかもしれない。
ただし、もし「生活が立ち行かない」となったとき、ブランクが長ければ長いほど社会復帰は難しい。

完全な引きこもりではなく、何らか社会とのつながりを持ちながら、折り合いをつけながら生きていく道が、慎吾さんにも見つかるといいと、願わずにはいられない。

https://dot.asahi.com/dot/2020122300025.html AERA dot.より引用

 

エナベルで就労移行支援を受けています、ウサギのTです。

これは珍しいタイプの引きこもりだと思います。両親と仲が良く、部屋に鍵もかけず日常生活を普通に送ってる引きこもり。

家族が特異なのかもしれないですね。このお姉さんだけがどうにかしようと、焦っている感じですね。

家族幸せならこれもありなのかな…とも思うんですが、将来が心配ですね。いづれ7040問題とかに関わってきそうですね。

普通の生活を送るにはやはり働くしかないですからね。親はどんどん歳をとっていきますから。

誰かのために誰かが犠牲になる生活はやはり正しくないです。

今は支援の手があります。だから、どうにかその伝手を辿って、社会とつながりを持って欲しいですね。

 

 

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