なぜ「自傷行為」はいけないのか|臨床心理士の見解とは
あまりにも辛くて感情に圧倒されそうな時、私たちはなんとかそれをコントロールしようとします。
誰かに頼りたくても頼れないとき、自分一人で対処しないといけないとき、私たち一人でできることは限られています。
そうすると、即効力がありそうに見える対処法を取ってしまいます。
それは自分にとっては生きるためであり、辛い世界でなんとかやっていくための方法になります。
しかし、そういった強烈な対処法は必ずデメリットがあります。
その場を乗り越えることはできても、長期的に見ると自分を傷つけ、破壊するものだったりします。
生きるためにやっているのに、長い目で見ると生きることから遠ざかってしまうのです。
今回は、そんな自分を傷つけてしまうような対処法についてお話します。
自分を傷つけてしまうような対処法について、自分は必要だからやっていたとしても、周囲の人は心配したり怒ったり、やめるように説得するかもしれません。
周囲の人はその対処法によってあなたが傷つくことを知っているから心配するのです。
また、不適切な対処法をしているあなたを見ることが辛いからやめるようにいう人もいるかもしれません。
自分を傷つけてしまうような対処法とは
その場の強い不快な感情やストレスを紛らわしてくれるけど、自分を傷つけてしまう…それはどんな対処法でしょうか?
例えばリストカットなどの自分を傷つける行為や、気持ちを押し込め、身体から切り離して感じなくすること、アルコールなどの物質に頼りすぎてしまうことなどです。もしかしたら、気持ちがホッとし、スッキリするかもしれません。何も感じないことは楽な感じがするかもしれません。
気持ちが紛らわされ、ぐるぐる考えなくて済むかもしれません。
しかし、それはすべて「一時的」な対処法になります。
その場の気持ちは紛らわせても、問題の解決にはつながらないので、つらい気持ちは再びやってきます。
そして、癖になり習慣化しやすくなります。
「自分を傷つける行為」デメリットとは
自分を傷つける行為は、生きるためにやっていたとしても身体を傷つけることには変わりありません。
心の痛みをコントロールできる身体の痛みに置き換えたところで、心の痛みは癒えません。
感情を感じないことは「楽しい」や「嬉しい」といった暖かい感情も感じないということです。
そうすると生きていることの実感がなかったり、虚しさがいつまでも続くかもしれません。
また、感情を抑えることはものすごいエネルギーを使うので、生きているだけで疲労するかもしれません。
辛い感情を和らげても、辛い感情をもたらす根本的な問題は解決されていません。だから苦しさはいつまでも続きます。
そして、これらのものは癖になり、今までと同じ量や回数では同じ効果は得られないため、どんどん行動がエスカレートしていきます。
そうすると身体が傷つき、エネルギーはなくなり、感情コントロールはどんどん難しくなります。
もともとのストレスや心の痛みに加えて、新たな問題が出てきて、問題が複雑化してしまうのです。
生きるための対処で、どんどん生きることが困難になります。
ここで大切なのは、自傷行為という対処法自体を否定しているのではなく、そんな悪循環に陥って欲しくないということです。
自傷行為をしたくなったら
本来ならば、心の傷を直接癒す方法を取った方が、問題はこじれなくて済むのです。
しかし、なぜそれが難しいのかというと、辛い気持ちになった原因がおそらく対人関係だからではないでしょうか。
家族なのか友人なのか、仕事の関係なのか、人間関係で傷つくと他者に対する不信感でいっぱいになります。
ときには世界に対する不信感も強くなります。
私たちが傷つくのは対人関係ですが、私たちが癒えるのも対人関係によってなのです。
家族や友人でも、専門家でも、信頼できそうな人に相談をして、気持ちを共有し、一緒に解決方法を考えることです。
もしそれが難しければ、自分と自分の関係も大切です。
誰にも頼れなくて、さらに自分で自分を否定したり責めてばかりだと世界は敵しかいなくなります。
自分で自分の心も身体も傷つけないように接することができると良いでしょう。
(中略)
さらに、少しずつ自分に優しい対処法が増えていくといいでしょう。
https://yogajournal.jp/7698 YOGA ONLINEより引用
エナベルで就労移行支援を受けています、ウサギのTです。
「自分を傷つける行為」
これを行う事で、もしかしたら、気持ちがホッとし、スッキリするかもしれないけれど、楽な感じがするかもしれないけれど、
気持ちが紛らわされるかもしれないけれど…それはすべて「一時的」な対処法。引用元でハッキリ述べられていますね。
しかもそれがクセになってしまって常習になってしまったら…。
自分が、体が壊れていきます。
おおよその原因が対人関係で頭がぐるぐるになってしまってそんな行為に走ってしまうのですね。
信頼できそうな人に相談して、気持ちを共有。それだけで違ってくると思います。
自分を自分の体を壊さないようにどうにか心穏やかに自分に優しい対処法が見つかるといいですね。