【障害者雇用】障害者の「みなし雇用」 導入、求める声 働く場の拡大に期待
昨年度に障害者の法定雇用率を達成した民間企業が5割を切る中、企業が障害者に業務を発注した額の一定割合を、法定雇用率に換算して算入する「みなし雇用制度」の導入を求める声が上がっている。人事管理の難しさや業務のミスマッチの懸念などから障害者の採用が十分に進まず、2018年には中央省庁や自治体による水増しも問題に。
専門家は、障害者と企業の双方にメリットのある柔軟な仕組みづくりの必要性を訴える。
障害者の「みなし雇用」は、企業が業務を、障害者の就労を支援する福祉作業所や在宅の障害者に発注した場合に法定雇用率に換算する仕組み。制度化はされていない。
主に知的障害者らが働く工場「しんわルネッサンス」(神奈川県平塚市)。
福祉サービスで、通常の就労が難しい障害者が雇用契約を結ぶ就労継続支援の「A型」と、雇用契約を結ばず工賃を受け取る「B型」、一般企業への就労を目指す「就労移行支援」の三形態があり、百十人ほどが利用する。
一九七四年からホンダ車の部品の組み立てや加工を受注。
工程を細分化し、ボルトの取り付けなど一工程ごとに一人を配置しており、皆真剣な表情で黙々と取り組む。
九年目の植木洋一さん(33)は「組み立てた部品が車になって走るのはうれしい」。
昨年度、ホンダの仕事で約一億九千五百万円を売り上げ、ここから賃金と工賃として約六千百万円を支払った。
ホンダの昨年度の障害者の雇用率は2・3%。法定雇用率(2・2%)を満たしているが、みなし雇用制度があれば、さらに上がる。
同社広報部は「直接雇用以外の方法で障害者雇用に貢献する手段として有効」と期待する。
就労継続支援A型事業所全国協議会(東京)が昨年度行った企業への調査では製造、建設、小売りなど十八社が回答。
「障害者の採用や人事管理、業務管理が難しい」などと雇用率達成に苦しむ声があり、十社が、制度があれば「活用したい」と答えた。
障害者雇用促進法では、企業が「特例子会社」を設立し、雇った障害者を親会社や企業グループの雇用率に算入できる。
ただ、障害者雇用に詳しい慶応大の中島隆信教授(59)によると、清掃や単純作業などの雑用的な仕事を特例子会社に集めている企業もあり「障害者の仕事が本業の戦力になっていない」と話す。
みなし雇用について中島教授は、「障害者は作業所の職員に見守られ自分のペースで仕事ができる。
体調に合わせたテレワークも可能。
企業も労務管理しなくてよく双方にメリットがある」と指摘。
仕事が少ない地方のA型事業所に発注すれば、障害者の働く場が広がり、中島教授は「一定水準までは直接雇用を義務づけ、みなし雇用分の雇用率を合算するなど、障害者が働きやすい柔軟な仕組みをつくるべきだ」と話す。
一方、厚生労働省は「福祉的雇用から一般雇用への移行が進まなくなる可能性があるので、特段検討していない」と話している。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/51171/ 東京新聞から引用
エナベルで就労移行支援を受けています、ウサギのTです。
みなし雇用というのがあるんですね。引用先にはわかりやすい関係図も載っています。
確かに事業所で働く障害者には有難い話です。働くモチベーションにも関わってきますからね。
地方に行けば行くほど、事業所の仕事は少なくなってしまうから、こういう企業の関わり方は嬉しい限りです。
テレワークも可能とは本当に有難い。
だけど、これだけ事業所で仕事への充実感味わってしまったら、福祉雇用から一般雇用の移行が進まなくなる…というのは事実ですね。
難しい問題ですね…。
一般就労に向けて頑張っているのに、その間の事業所の仕事で充足感を得て過ぎてしまったら…。
WIN-WINとはいえないのがつらい所ですね。
みなし雇用ではないですが、私も現在のエナベル卒業して、一般就労目指さなくてはならないので複雑ですね…。