【障害者】障害者が記者、情報誌「びと」廃刊危機 「読者のために続けたい」 神戸

障害のある人が記者となり、自分たちが利用しやすい店舗や施設を紹介する神戸のフリーペーパー「びと」が創刊から14年目の今年、廃刊の危機に追い込まれている。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、支援を受けていた企業の業績が悪化し、広告収入が見込めなくなった。
「楽しみにしてくれていた読者のためにも何とか続けたい」。市民サポーターを募集している。

「びと」(A4判、カラー16ページ)を発行するのは、障害者就労継続支援B型事業所「神戸ユニバーサルツーリズムセンター」(神戸市中央区)。
情報不足で外出をためらう高齢者や障害者を支援しようと2007年9月に創刊。3、6、9、12月の年4回、1万部を発行、観光施設などに無料配布している。

 

脳性まひなどの5人が取材
取材は、脳性まひなどの障害がある5人が担当し、実際に店舗や施設に足を運ぶ。車椅子利用者が使えるトイレやスロープなどの設置状況のほか、店側が介助してくれるかなどソフト面も重視。神戸や淡路島にある16ホテルの「おもてなし度」を特集した17年夏号では、刻み食やペースト食の注文は可能か▽浴室で体を洗う際に使うシャワーチェアの貸し出しはできるか――などのほか、車椅子の客が出入りしやすいよう従業員がバスルームのドアを取り外してくれたホテルがあったことも紹介。年齢や障害に関係なく誰でも旅を楽しめる「ユニバーサルツーリズム」の実現に向けて、情報発信を続けてきた。

費用は印刷代など1号当たり約30万円かかる。これまでは毎年度末に新年度の広告掲載企業を募り、年間契約してきた。

ところが今年は3月号を発行した直後、神戸でも新型コロナウイルスの感染が拡大。
外出自粛が呼び掛けられるなか、障害を持つ人の重症化リスクも考えて取材を中止し、6月号は休刊せざるをえなかった。
企業への営業活動もできず今年度は結局、広告収入はゼロに。それでも記者たちは「発信し続けることが大切」と盆明けから取材を再開。
センターを運営するNPO法人「ウィズアス」が費用を全額負担し、9、12月号の代わりとして「秋・冬合併号」を11月1日に発行することができた。

 

契約先の観光関連企業打撃
だが、先行きは見通せない。元々、「びと」の広告主にはコロナ禍で大打撃を受けた観光関連企業が多い。
21年3月号の発行に向け、例年広告を出してくれていた会社に契約を打診したが、「業績が非常に厳しい」と相次いで難色を示された。

危機感を募らせる中で、思いついたのが「サポーター」の募集だった。
企業には広告料の代わりに、観光施設の入場券やレストランの食事・宿泊券などの提供を依頼。
それらを特典として、市民サポーターを募集することに決めた。

設定する支援金は、3000円▽5000円▽1万円--の3コースで、金額に応じて特典内容もアップする。
例えば3000円なら娯楽施設の入場チケットなど、1万円ならレストランのディナー券やホテル・旅館の宿泊券などがサポーターに贈られる。
1人何口でも申し込める。

「ウィズアス」の鞍本長利代表理事は「障害者や高齢者と、社会とをつなげてきた『びと』を廃刊させるわけにはいかない。
多くの市民サポーターに支えていただきたい」と訴えている。

 

取材対象に「元気」与える

「びと」創刊時から記者を務める坂田暢子(のぶこ)さん(40)は、身長や手足が伸びない先天性の難病「軟骨無形成症」だ。
人と話すのが大好きで、出会いとふれあいを求めて、電動車椅子で街を回る。

神戸市長田区を特集した秋・冬合併号では、坂田さんは温かく迎えてくれる店として、新長田地区のお茶販売「味萬(あじまん)」を紹介した。
オーナーの伊東正和さん(71)とは10年以上の付き合いだ。
互いに阪神大震災(1995年)で被災した当時の思い出を語り合ったり、お茶談議に花を咲かせたり。伊東さんは「のぶちゃんの笑顔で元気をもらえる」と話す。

先の見えないコロナ禍、厳しい状況の中でも、坂田さんは前を向く。
「私たちが楽しいと思えることは、健常者にも楽しいと思ってもらえるはず。
『びと』には他にはない、そんな情報を盛り込んでいる。これからも地域の人々とつながっていきたい」

https://mainichi.jp/articles/20201113/k00/00m/040/203000c 毎日新聞より引用

 

エナベルで就労移行支援を受けています、ウサギのTです。

新型コロナの流行でこういう所にも影響が出ているのですね。広告主がつかなければフリーペーパーは発行が難しいです。

障害者が障害者のために発行している情報誌がこんな形で発行が厳しくなるなんて。

サポーター制度を設定し、企業には広告料の代わりに、観光施設の入場券やレストランの食事・宿泊券などの提供を依頼して。

障害者と社会を繋いできた雑誌を終わらせたくないと代表理事が頑張っています。

だからこそ、記者の障害者の方も前を向いて、このコロナ禍を乗り越えようと、厳しい時期を乗り切ろうと地域の為にも自分の為にも踏ん張っているんだと。

こんな障害者就労継続支援B型事業所があるのですね。

私もそういう障害者事業所の利用者としてエールを送りたいです。

 

 

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