【障害者】大人の自閉症スペクトラムの対処について
どうも、就労移行支援を受けているMです。
以前の記事で自閉症スペクトラムについて解説しました。
また、先日24時間テレビで自閉症スペクトラムのことがやってたので、あっ!と思った方はいるにではないのでしょうか?
今回は大人の自閉症スペクトラム(ASD)の対処について解説していきたいと思います。
大人のASDに悩む人へ職場での対処法と向いている職業を解説します
大人のASDでお悩みのあなたは、職場での人間関係や職業のことで困ってはいませんか?
2013年にアメリカ精神医学会による診断基準「DSM-5」においてASD(自閉症スペクトラム障害)が規定されて以来、大人のASDが広く知られるようになりました。
最近では、確定診断が下りないものの、ASDの傾向に悩む「グレーゾーン」の大人の存在も認知されつつあります。
そこで今回は、大人のASDに悩む人に向けて、職場での対処法と向いている職業を徹底解説いたします。
大人のASDとは?
まず、ASD(Autism Spectrum Disorder、自閉症スペクトラム障害)とは、社会性・コミュニケーション・想像力の3つの特性に困難がある発達障害です。
このうち、「大人のASD」とは、特に社会人になってからASDの抱える困難に直面している人を指す言葉として知られています。
職場でのコミュニケーションに悩み、カウンセリングや病院での受診をしたところ、初めてASDであることがわかったという「大人のASD」の人も珍しくありません。
ちなみに、2013年まで、ASDは自閉症とアスペルガー症候群に分かれていましたが、アメリカ精神医学会の定める『DSM-V 精神疾患の分類と診断の手引』の中で、自閉症スペクトラムとしてまとめられるようになりました。
「スペクトラム」とは、自閉症とアスペルガー症候群の病態をはっきりと区別するのではなく、地続きの「連続体」として捉えようという考えを反映したものです。
しかし、一般的には言語発達に遅れのある場合を自閉症、知能が定型の人と同等で言語発達の遅れがない場合をアスペルガー症候群と判断する場合が多いです。
大人のASDの「グレーゾーン」とは?
近年、発達障害の診断に関連して、「グレーゾーン」という言葉が話題になっています。
グレーゾーンとは、「発達障害の症状がいくつか見られるものの、診断基準を満たさないことで、確定診断をつけることができない状態」を指す言葉です。
大人のASDを疑って病院を受診したものの、そういった「傾向」があるとだけ診断される場合があるのです。
こうしたグレーゾーンの問題点は、「確定診断は下りなくても症状や障害は確かにある」という点です。
例えば、グレーゾーンの人は確定診断が下りないことで、仕事の場でも「甘えだ」「怠慢だ」と勘違いされやすいという点が挙げられるでしょう。
こうした周囲の冷ややかな反応によって、精神的に追い詰められた結果、うつ病などの「二次障害」を発症するASDの大人も少なくありません。
また、専門医による診断書が下りなかったことで、障害者手帳が交付されず、福祉サービスを受けられないなど、支援面での問題点もあります。
ASDの大人が抱えやすい就労上の困難3点
この章では、ASDの大人が抱えやすい就労上の困難を、具体的に紹介します。
基本的に、仕事の場では、大なり小なり「他人との意思疎通」が生じます。
そのため、ASDの大人が最も直面しやすい困難は「コミュニケーション」とも言われています。
しかし、コミュニケーション以外にも、ASDの大人には、本人にしかわからない就労上の困難が複数あります。
ここでは代表的なものを3つ見ていきましょう。
困難①コミュニケーションが取りづらい
先述したように、大人のASDの方の一番の困難は、「コミュニケーションが取りづらい」です。
具体的には、以下の例が挙げられます。
- 報告、連絡、相談がうまくできない
- 打ち合わせの目的や暗黙の了解に疎い
- 話を聞いていないと誤解されやすい
中でも、「報告、連絡、相談」は日常茶飯事に行われることですので、大人のASDの人が仕事において悩みやすい点でしょう。
ASDの人は、情報共有やコミュニケーションの必要性を把握しづらい傾向にあると言われています。
周囲から話しかけられても、「なぜその話題が自分に向けて話されているのか」を理解できずに、同僚から「コミュニケーションが取りづらい」と思われやすい傾向があるのです。
困難②自分の状態を把握しづらい
2点目は、「自分の状態を把握しづらい」です。
具体的には、「熱が出ているのに出勤する」「極度に疲労しているのに連勤する」というケースが挙げられます。
大人のASDの人は、自分の身体感覚や精神状態を自身で感じ取ることが難しいため、自分の限界を把握しづらいのです。
困難③感覚過敏で疲れやすい
3点目は、「感覚過敏で疲れやすい」です。
大人のASDに限らず、発達障害を持つ人の中には、聴覚や嗅覚が敏感な人がいます。
特に通勤中などは、電車内の熱気や物音が耐えがたく、疲れる人も多いようです。
ちなみに、ASDの人は、感覚器官へのストレスが溜まると、身体を前後に揺するといった「常同行動」をして気持ちを落ちつけようとする傾向があります。
大人のASDの同僚を持つ人にお願いしたいこと
大人のASDの同僚をお持ちの方の中には、接し方や指示の出し方がわからずに、お困りの方がいるかと思います。
特に、大人のASDの症状の範囲はコミュニケーション全般にかかりますので、日頃のやり取りにも困惑する場合があるでしょう。
しかし、大人のASDに限らず、発達障害は生まれつきの脳の機能の偏りに原因があるため、本人の努力だけではカバーできない面があります。
それゆえコミュニケーションをうまく取るためには、相手が理解しやすいように、ある程度譲歩する必要があります。
そのためにも、まずは、ASDの同僚の「特性を理解すること」から始めましょう。
「コミュニケーションの癖」という観点で言えば、一般的に、大人のASDの人は、以下のような傾向があると言われています。
- 口頭よりも、図説の方が理解しやすい
- 時間や場所の指定など、具体的すぎるくらいの指示だと安心する
- 柔軟な対応や受け答えよりも、定型的な応答や繰り返しの方がラク
上記の傾向に注意して、よりよいコミュニケーションの方法を探ってみてください。
その上で、協働したり指示を与えたりするときには、「できないことよりもできること」に着目し、「その人専用のマニュアルを作る」と効果的です。
最初は苦労するかもしれませんが、マニュアルがその人にマッチすれば、大人のASDの方でも、定型発達者(非発達障害者)以上の成果を上げることがあります。
同僚の特性を理解して、その人にあった仕事やマニュアルをカスタマイズするようにしてください。
まとめ:大人のASDでも工夫次第で仕事は続けられます!
前提となるのは、周囲の人を頼るという姿勢です。
ここで言う「周囲の人」とは、かかりつけ医に限らず、同僚やご家族、支援機関の専門家などのことです。
大人のASDの人は、特にコミュニケーションの面で苦労しやすいため、自分一人で抱え込むのではなく、周囲に協力を求めることが大切になってくるのです。
できるだけ、周りの人に悩みや困りごとを相談するようにしましょう。
このコラムが大人のASDで就労に悩む人の助けになれば幸いです。
個人的に大人の自閉症スペクトラムが世間でも一番難しいところなのかな、と思います。
右も左も分からずどうしたらいいの~(T_T)となった方々きっといるだろうと思います。
自閉症スペクトラムは良くも悪くも気難しいところがあるので、当事者も健常者も戸惑うことはあるでしょう。
ですが、中には自分が障害だと分かっても大して気にせず気ままに生きてる方もいます(*‘∀‘)
自分に合ったやり方で大丈夫なので、周りの方々と協力しながら障害を理解し、少しずつ一歩ずつ前へ進んでいきましょう!