【障害者】他害は「困った」時のサイン 強度行動障害、受け入れ事業者は増えず
強度行動障害がある北古賀弘紀さん(28)は福岡市の生活介護事業所「おおほり苑」に約10年前から通うようになり、暮らしが落ち着いてきたという。この通所施設では、どんな支援が行われているのだろう。
もともとワンフロアだったという部屋が個別のスペースに区切られていた。23日午後。あいにくの雨の中、弘紀さんは生活支援員の松原俊輝さん(22)と相合い傘で外に出かけた。
(中略)
親元で自立難しく
身近な人を傷つけたり、ものを破壊したりする強度行動障害。「本当はしたくてしているわけではなく、自閉症などの特性によって環境の理解や意思の表現が難しく、本人が何かに困っていることの現れ」と施設長の増山利幸さん(44)は指摘する。「一度でも起こすと続けてしまう人には、行動を予測し、まずさせないことが大事。困った気持ちを周りが受け止め、適切なコミュニケーションを教えていくんです」。それが本人の自信や自立にもつながる。
ただし、何が苦手なのか、原因や要因は人それぞれ。一定のスペースなど物理的環境をととのえれば落ち着く人もいれば「弘紀さんのように、身近な支援者が信頼できるかどうか人に左右される」場合も。利用者一人一人にじっくり向き合い、見極め、対応を試行錯誤していくため「やはり時間は掛かります」。1人に対して3人の支援員が必要なこともあり事実上、一度に多くの受け入れは難しい。何より支援者側の知識や経験が問われていく。
同施設は利用者約50人のうち、知的障害などの重度者が約9割。母にかみつき、ひっかき、長期間自宅に引きこもっていた人、突発的にフロントガラスを肘で割る人、次の行動に移るまで気持ちが切り替えられず長時間、その場を動かない人…。家族からのSOSに応じ、同僚や後輩と支援ノウハウを共有しながら、こうした強度行動障害のある人も受け入れ続けてきた。
「わが子と必死に向き合い、将来に不安を感じながら毎日を送ってきた高齢の親御さんばかり。親元ではどうしても生活パターンが改善されにくい。行動障害を軽減させ、自立をサポートしていくのが、やはりわれわれ支援者の役目ですから」(増山さん)
しかし、こうした通所施設は「少数派」だ。
地域の一員として
おおほり苑を運営する社会福祉法人「福岡障害者支援センター」理事長の野口幸弘さん(66)は、強度行動障害のある人の支援策を模索してきた「福岡市強度行動障がい者支援調査研究会」の座長を務めている。
初代の同施設長でもあり、若手職員向けに独自の研修を行うなど「家庭生活が困難でも、当事者が住み慣れた地域で暮らしていく」ための通所施設やヘルパー、グループホーム(GH)を想定した人材育成に取り組んできた。
国レベルでも専門の支援者養成研修制度が始まり、修了者によるサービスを提供する施設やGHなどには報酬を加算する制度もできたものの、「残念ながら、積極的に当事者を受け入れようと考える事業者がなかなか増えない」ことがもどかしいという。
日中活動への報酬自体の低さや、支援の難しさ以上に、野口さんが感じるのは「障害が重い人ほど親が面倒をみるか、みられなくなれば入所施設へ、という古くからの固定観念が、当事者や支援者側にまだまだ根強い」現実。GHなどへの公的補助を充実していくためにも、社会全体の意識改革が必要となる。
「どんなに支援が難しい人でも、いろいろ関係性を模索していると、意思が通じ合い、ニコッと笑ってくれる瞬間がある。かわいいんですよ。家族も職員も喜んでくれる」と野口さん。そんな笑顔を多くの人が知れば、社会も変わっていくのかもしれない。
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/630754/ 西日本新聞より引用
エナベルで就労移行支援を受けています、ウサギのTです。
こんな記事があったので、強度行動障害って何だろうって調べてみました。
強度行動障害とは
強度行動障害とは、自分の体を叩いたり食べられないものを口に入れる、危険につながる飛び出しなど本人の健康を損ねる行動、他人を叩いたり物を壊す、大泣きが何時間も続くなど周囲の人のくらしに影響を及ぼす行動が、著しく高い頻度で起こるため、特別に配慮された支援が必要になっている状態のことを言います。適切で専門的な支援を行う必要があり、医療を含めた強度行動障害に関する総合的な支援体制を構築するとともに、障害者福祉施設等の従事者が、専門的な知識や技術を身に付け、本人の生活の質を向上させることが求められています。
なるほど…かなりハードな障害ですね。これも発達障害の一つなんですね。発達障害の情報のサイトに書いてあったので。
残念ながら、ここまでハードな障害では専門的な知識や技術がないと受け入れが難しいですね…。
それが問題だと言われても、ここまでハードな障害では…orz
母にかみつき、ひっかき、長期間自宅に引きこもっていた人、突発的にフロントガラスを肘で割る人、次の行動に移るまで気持ちが切り替えられず長時間、その場を動かない人…
ちょっと聴くだけで、きつそうです。
うーん、受け入れ施設が増えないというのも納得いきます。
だけど、確実にその障害を持っている人は居て、就職活動もしたい人も居て…。
かなり狭き門なのかもしれませんが、少しでも受け入れてくれる支援施設が多くなることを祈ります。
本当に障害の種類は多すぎて奥が深いです…。
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