【障害者】おもしろがることで障がい者の「やりたい!」を叶えたい。「月と風と」がつくり出す“余計なこと”とは?

コロナ禍で、自分をとりまくものに“不要不急”がいかに多いかと感じた人は少なくないと思います。また逆に、私たちの生活は不要不急なこと・ものによって彩られているとも気付きました。

今回お話を伺った、障がい者生活活動支援施設「NPO法人月と風と(以下、月と風と)」の代表・清田仁之さんは「うちは不要不急のカタマリだ」と笑います。

必要不可欠ではないけれど、あってもいい。
あると楽しい、嬉しい。

一般的な福祉施設の概念を覆すユニークな取り組みで注目を集める「月と風と」は、そんな“不要不急=余計なこと”をやりたくて清田さんがつくった団体です。

障がい者と接する中で“おもしろがれる余白”を大事にしているという清田さん。枠にとらわれない発想の根源に迫ります。

“余計なこと”をしたい。じゃないとおもしろくない。
清田さんが最初に就職した神戸の福祉施設は「全寮制の学校のすごく強い野球部みたいなところ」だったそう。障がい者が日々仕事をしながら暮らす入所施設で、清田さんは作業指導員という立場でした。

指導員はあくまで指導員であり、入居者と個人的に仲良くなることは良しとされない環境に息苦しさを感じるようになったという清田さん。勉強のために別の福祉施設で副業アルバイトを始め、神戸の施設の入居者よりもはるかに重い障がいを持つ人がテーマパークへのお出かけを楽しんでいるのを見て、「障がい者が楽しめるかどうかは、障がいの程度ではなく周りに支える人がいるかどうかだ」と理解したそうです。

その後、バイト先の施設に正職員として転職。前職よりは自由に活動できたものの、福祉の制度上の問題により、清田さんはまた息苦しさを感じはじめました。

お風呂に週3回入る人は週5回入りたくなるし、週5回入ったら今度は毎日入りたくなる。そしたら次は「銭湯行きたい」「温泉行きたい」、となる。「じゃあ行こうか」ってなったら、そこで「そういうことしてもお金にならない」という制度上の制約がかかるんです。みんなそんな時間の余裕もないですし。

そうなると、徐々に楽しくなくなってきてしまって。

ちょうどその頃、ある施設利用者の葬儀で100人以上が参列する光景を目にした清田さんは、「障がいが重い人だったのに、こんなに知り合いがいたのか」と驚いたそう。それ以前に経験した障がい者の葬儀は身寄りのない人のもので、施設職員だけで火葬場へ行き、施設で行った年1回の旅行の写真だけを棺桶に入れる、という寂しいものだったからです。

ぼくなら、死んだ時は100人にいろいろ語ってもらいたいなと。でもそれは、ヘルパーとして求められることだけをやっていたのでは語れないんですよ。「温泉行ったね」「旅行行ったね」という思い出も語れたほうがいい。

だから、福祉という制度の中だけではない、“余計なこと”をしたほうがおもしろい、そういうことをしたいなって思ってたんです。

清田さんはその後さっそく、思いを行動に移しました。同業の仲間を集めて、ヘアカット&ファッションショーを開催したのです。

美容師さんに声をかけ、バリアフリーファッションのデザイナーから服を借り、モデルは知的障がいや精神障がいを持つ人だけでなく、障がいのない人もごちゃまぜの20人で、「障がい者がモデル」という説明はなし。「私服で登場したい」、「自分で自分の着る服に絵を描きたい」など、障がい者のモデルからのさまざまな要望を叶えた結果、普段は笑顔をつくるのが苦手な人がとてもうれしそうにしていたそうです。

障がいを持ってる人は周りの目を気にして美容室を嫌がる人が多いけれど、「行ったらいいやん」という思いから生まれたイベントです。お金にはならないんですけど、関わってる人がみんなめっちゃ楽しんでて。ショーの最後に、障がいのある人もない人もモデル全員がステージに並んで、みんなが「いいやん!」って拍手して笑ってて。「こういう社会にしたらいいんちゃうかな」って思ったんですよ。

仕事とは別の、個人の企画としてやりきったこのショーで、清田さんは大きな手応えを感じました。しかし、こんな“余計なこと”を組織の中で実行するには限界があり、独立することを決めたのです。

「行動が読めないこと」が”おもしろさ”につながる
「一緒にやる人が出したアイデアを一発目から否定しない」
「お金にはならないけど心が潤うことをする」
「少ない人数で運営し、外部のいろんな人とつながって一緒にやる」

清田さんはこの3つをルールに定め、2006年11月に兵庫県尼崎市で「月と風と」を設立しました。

「月と風と」ではメイン事業のヘルパー派遣だけでなく、他の施設では見られないようなおもしろい取り組みをたくさん行っています。

障がい者と一緒に銭湯へ行ったり、よそのお風呂を借りたりする「おふろプロジェクト」や、障がいのある人とない人が出会い、一緒になって趣味を楽しむカルチャー教室「軽茶堂(かるちゃどう)」、参加者全員を全肯定で褒め合うアートイベント「ツキイチ現代美術館」など、ユニークなものばかり。

僕、関西の何が好きって、「おもろかったらOK」っていうとこで(笑) ダウンタウンの松本人志さんが大好きなんですけど、彼が「なんでもかんでもおもしろく見てしまう脳になってる」と話していて。「そうか、なんでもおもしろく見たらいいんやな」と気づいたんです。

障がいを持ってる人たちの行動って、こっちの想像を軽く越えてしまう。その連続が魅力だと思っていて、これをみんなに伝えたい。「みんな発想が違ってておもしろいな」って、一緒にいる人が“おもしろがる”ことが大事ですね。

「福祉」と「おもしろがる」という、対極にありそうな要素を組み合わせてしまう清田さん。ホームページなどでの発信も、いい意味で肩の力が抜けています。

福祉だからこそ「いいことしてる」「頑張ってる」じゃなく、おもしろいところを出したほうがいいと思います。また、福祉や障がい者に関わる人を増やしたいので、「誰にでもできることがあるよ」とできるだけハードルを低く打ち出すことを意識してます。

そんな清田さんが実行委員長をつとめる「ミーツ・ザ・福祉」は、障がいのある人もない人も一緒になって楽しめるイベント。尼崎市の「市民福祉のつどい事業」を2017年より受託し、年に1度行っている大規模なもので、ブース出展やパフォーマンス、ワークショップなど多彩なコンテンツがいっぱいです。

元芸人の経験を持つ市役所職員の協力を得て、お笑い好きな清田さんの無茶振り(?)によって実現したのが、障がい者も出演する漫才や新喜劇! ステージ上で障がい者がスベっても「ウケへんな」の一言で大爆笑をさらってしまうなど、愛あふれる掛け合いが繰り広げられました。

https://greenz.jp/2020/08/26/tsukitokazeto/ greenz.jpから引用

 

エナベルで就労移行支援を受けています、ウサギのTです。

コロナ禍で、私たちの生活は不要不急なこと・ものによって彩られていると。

障がい者生活活動支援施設「NPO法人月と風と(以下、月と風と)」の代表・清田仁之さんは「うちは不要不急のカタマリだ」と笑います。
必要不可欠ではないけれど、あってもいい。あると楽しい、嬉しい。なんだかそれを聞くだけで楽しそうな感じだなと思ってきます。

余計な事をして面白くする。

なるほどそういう考え方もあるのかあと思いました。

福祉制度では限界がある。けれど、もっと楽しいことしたい…それにはあれこれとマンパワーが必要ですが、それをクリアすれば楽しいことが待っている。

福祉だからこそ「いいことしてる」「頑張ってる」じゃなく、おもしろいところを出したほうがいい…これはこの方だけじゃなく、福祉全体の思いです。

障害者だけど、こんな面白い事してるよ!ってアピールの方が見てて障害者も、健常者も楽しくなってくると思います。

「誰にでもできることがあるよ」とできるだけハードルを低く打ち出すことの意識もいいですね。

こんな方が様々なイベントや福祉団体を率いているのが嬉しいですね。

とても前向きで素晴らしいと感じました。

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