【引きこもり】ひきこもり支援35年 8050問題専門センター設立した男性の思い
約35年間、京都を拠点にひきこもりの人とその家族の支援活動に奔走してきた。
山田孝明さん(68)は今年5月、京都から高知に移り、ひきこもりの子と同居する親の高齢化によって貧困などが生じる「8050問題」専門の支援センターを設立。
「『高知』には帰る場所があるんだよということを伝えたい」と問題を抱える人々へ温かいまなざしを向ける。
ひきこもり支援活動をするようになったのは、30代前半に大検予備校の講師として働いていた時の経験からだ。
高い月謝を払っているのにもかかわらず、入校して数日で授業に来なくなる生徒がいることに気がついた。
緊張して電車に乗れず予備校へ通えない、恥ずかしくて教室に座っていることに耐えられない――そんな生徒たちだった。
「自分たちの時代では想像できないような問題を抱える若者たちがいる」。初めて気がついた瞬間だった。
「勉強なんかしなくてもいい。問題を抱える生徒たちの『居場所』を作りたい」。
1994年、ひきこもりの子や親が集うフリースペース「ライフアート」を京都市内に設置。
2019年には、各地の支援団体に呼びかけ、全国組織「全国家族・市民の会エスポワール」を設立した。
活動を実施していく上で何より大切にしているのが「笑顔」だ。
フリースペースを訪れる当事者との会話では、軽妙な語り口でユーモアを織り交ぜることを欠かさない。
会っていきなり手品を見せることもある。「当事者にとって笑いが一番の癒やしになる。なんとか笑ってほしいと思う」
今年5月、「エスポワール」の高知支部に誘われ、京都から高知に移住した。同支部内には新たに「8050『限界家族』支援センター」を設置。
(中略)
「苦しむこと。悩むこと。それ自体に意味がある。そういう意味でひきこもりは一つの文化なんです」と持論を語る。
https://mainichi.jp/articles/20210524/k00/00m/040/079000c 毎日新聞から引用
エナベルで就労移行支援を受けています、ウサギのTです。
山田さんが予備校の講師の時、高い月謝を払っているのにもかかわらず、入校して数日で授業に来なくなる生徒がいることに気がつき、
緊張して電車に乗れず予備校へ通えない、恥ずかしくて教室に座っていることに耐えられない――そんな生徒たちがいたと。
そこから山田さんのひきこもりの人とその家族の支援活動が始まるんですね。
「苦しむこと。悩むこと。それ自体に意味がある。そういう意味でひきこもりは一つの文化なんです」…初めて聞きました。
引きこもりは一つの文化。そう捉えていくと、引きこもりへの意識ががらりと変わりますね。
今、問題になっている「8050」専門の「居場所」をも作っています。
8050の問題になっている「限界家族」も、原因は高齢年の引きこもり。そこをサポートすることで笑顔が生まれると。
笑顔。
一番人が強くて、一番ポジティブで、一番素敵な瞬間。
この笑顔こそが、引きこもりは一つの文化といえる言葉の源なのかもしれません。