【伝統芸能】歌舞伎&人形浄瑠璃の演目「妹背山婦女庭訓」あらすじ
どうも、就労移行支援を受けているMです。
グループワークで歌舞伎について頻繁に話題にはしているのですが、こちらではストーリーを紹介していませんでしたね(笑)
歌舞伎&人形浄瑠璃の演目は主に長編もので一つ一つの物語が独立してるような感じです。
なので、長編小説や映画を見ているような感覚でご覧になると取っつきやすいと思います(*^^*)
言い回しは独特なので演目だけ見てても分かりづらいと思います。
あらかじめストーリーを把握してから、実際の演目を見てみても良いかもしれません(^O^)/
特に映画・舞台好きの方はストーリーが分かると世界観に入り込みやすいだろうと感じますね(*´Д`)
今回はグループワークで話し合いの題材にしている「妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)」についてストーリー紹介をしていこうと思います。
【文楽】妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん):かんたんあらすじと解説:見どころ
妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)は、王代物(おうだいもの)、つまり奈良・平安時代の朝廷や公卿などの世界を描いた物語です。
大化の改新の藤原鎌足(ふじわらのかまたり)の蘇我入鹿(そがのいるか)討伐をベースにした物語です。
【文楽】妹背山婦女庭訓:あらすじザックリ言うと
この演目は大きく2つに分かれています。
前半(大序~三段目)は、日本版ロミオとジュリエットともいわれ、敵対しあう2つの名家に生まれた息子・久我之助(ごがのすけ)と娘・雛鳥(ひなどり)が恋に落ちます。
両家は入鹿(いるか)からそれぞれ無理難題をふっかけられ、お互いの家の子どもの命を助けようと自分の子どもの命を犠牲にします。
後半(四段目~五段目)は、商家の娘・お三輪がヒロイン。恋人・求馬(もとめ)を追って迷い込んだ入鹿の館でさんざんひどい目に会い、館にいあわせた男・鱶七(ふなしち)に切られ、その血が入鹿を倒すのに役立つと知らされ、満足して死んでいきます。
『妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)』概要・三段目(山の段)あらすじ:久我之助と雛鳥は日本のロミオとジュリエット
三段目は、日本のロミオとジュリエットともいわれる、悲恋ものです。
文楽では「山の段」といわれ、歌舞伎では「川場」と呼ばれています。
ここの舞台装置は本当にきれいです。
主な登場人物は、
- 大判事清澄(だいはんじきよずみ)
- 久我之助(こがのすけ)=大判事の一人息子
- 定高(さだか)=大和国・太宰家の未亡人
- 雛鳥(ひなどり)=定高の一人娘
吉野川をはさんで紀伊国(きいのくに)と大和国(やまとのくに)があります。
紀伊国は大判事清澄(だいはんじきよずみ)の領地で、背山には一人息子の久我助(こがのすけ)が住み、大和国では太宰小弐(だざいのしょうに)の未亡人・定高(さだか)の領国で、妹山には一人娘雛鳥(ひなどり)が住んでいます。
両家は、代々仲が悪いのですが、子どもたちは春日大社近くの小松原で偶然に出会ってお互いに一目ぼれ♡。それ以来、叶わぬ恋であることも知りひそかに愛し合っています。
舞台の中央から客席へむかって中央に吉野川が流れ、上手(舞台右側)に久我助の館、下手(舞台左側)に雛鳥の館が設けられるというスケールが大きい効果的な舞台機構となっています。解説によると近松半二の対位法によるものだそうです。
この段では、物語を語る太夫と三味線が座っている床(ゆか)というサブステージも舞台の上手下手に設置されて、両側から掛け合いで語られます。
吉野は桜の名所。川の両岸から枝をのばして桜が満開です。
前半は、吉野川をへだてての若い二人のせつないラブシーンが涙を誘います( ノД`)
そこへ両親がそれぞれ入鹿から「久我助を出仕させよ」「雛鳥を妾(めかけ)に入内(じゅだい)させよ」と命令を受けて帰ってきます。
中間は、向後のそれぞれの館で事件が展開していき、その間、一方の館の障子が閉められています。
大判事は入鹿が久我助を出仕させるのは、久我助が仕えていた采女局(うねめのつぼね)の在所を追求するためと察しています。
久我助も拷問されて白状してしまうぐらいならその前に死んだ方がいいと、切腹を決意します。
定高も久我助に操(みさお)を立てる娘を理解し、清い身体のままで死ねるように娘の首をはねます。
せめて相手の家と子どもの命は助けようとしたことでしたが、結局は報われませんでした。
両家は長年にわたって不和だけど、不和な仲ほど義理深いという日本人特有の精神構造が展開します。
子どもたちの死を通じて親たちは和解し、死に化粧をほどこした雛鳥の首を瀕死の久我助の元へ嫁入りさせます。
最後に雛道具とともに、雛鳥の首が花の散る川をわたってゆくところはしんみりと美しく、切なさに涙が止まりません。
『妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)』概要・あらすじ(四段目・五段目)お三輪ちゃんと苧環(おだまき)伝説。
【主な登場人物】
- お三輪(おみわ)=杉酒屋の娘
- 求馬(もとめ)=鎌足の息子の淡海(たんかい)
- 橘姫(たちばなひめ)=入鹿の妹
- 鱶七(ふかしち)=鎌足の家来
【御殿(ごてん)】
場面は入鹿の御殿に転換。
恋敵の橘姫は実は入鹿の妹。求馬(実は鎌足の息子の淡海)とは親が敵同士。つまりロミオとジュリエット。
橘姫は求馬にそそのかされて兄を裏切る決意をします。
そこには鎌足の使いの鱶七(ふかしち)という豪快な男が一足先に来ていて、欲求不満のたまっている官女たちから色仕掛けに応えず酒を飲んで寝ころんでいます。
苧環の糸を求馬の袖に結び付けてお三輪も入鹿の御殿にやってきます。
田舎娘のお三輪は、たいくつしきった官女たちにさんざんからかわれ、いびられます( ノД`)
恥をかかされ求馬にも会わせてもらえず、怒りにふるえるお三輪。
鱶七はそんなお三輪にいきなり切りつけます!
はあ?
疑念と嫉妬に狂った女の血と、「爪黒の牝鹿の血」とを笛に注いで吹くと、入鹿が正気を失うことになっていることを聞かされます。
なんだそりゃ。
お三輪は自分の血が愛する求馬の役に立つことを喜び、武家の夫人とおだてられて満足して息絶えます。
そして淡海は鎌足とともに入鹿を倒して悲劇のヒロインお三輪ちゃんがむくわれた、という話。
お三輪、切なすぎる(T^T)
【引用元】https://bunrakukimono.com/imoseyama-outline-4710【ぶん・楽・嬉・モノ】
グループワークで実際に見たのは山の段と御殿ですね(*^^*)
YouTubeに歌舞伎で御殿のシーンがあったのでグループワークの復習がてら見てみたのですが、官女たちのキャラが濃くてめちゃくちゃ面白かったです。
ただ、お三輪が可哀そ過ぎて、お三輪に感情移入しそうになりました(笑)
あと、鮒七のキャラも良いですね。
お三輪に切りつけるシーンのあとの貫禄っぷりが水戸黄門感ありました。
こうしてみると、映画や舞台でもよくある悲恋ものと同じだなぁと感じます。
妹背山婦女庭訓は悲恋ものが好きな方にオススメします。
興味ある方は是非見てみてください( *´艸`)