【今日は何の日】5月23日
読者諸兄、いつも拝読ありがとうございます。長尾です。
今日5月23日は何の日?
今を遡ること477年前の1543年。カトリック教会司祭のニコラウス=コペルニクスが、地動説を発表した日です。
当時主流だった天動説を覆し、地動説を発表すること。それは、衝撃的なことだったでしょう。ですがこの当時においては、地動説をキリスト教が否定することはなかったようです。実際、プロテスタントの宗教家マルティン=ルターが地動説に拒否反応を示しましたが、俗にいうルター派は、地動説を明確に否定することはなかったようですし、当時のローマ教皇や枢機卿は、地動説を広めようとはしなかったものの、地動説を否定してコペルニクスを迫害する、ということはしませんでした。
流れが明確に変わったのは、1616年。天文学者ガリレオ=ガリレイが地動説を唱えた際に、カトリック正教会に異端者として裁かれた前後。ガリレイの裁判を直前に控えた際、ローマ教皇庁はコペルニクスの著書の閲覧を一時停止しています。その原因について、『地球が動いているということ自体、聖書に対する冒涜である』とされたとありますが、実際のところは、専門家であるはずのカトリック教会の神父たちよりも、キリスト教の宗教教義において熟知していたガリレイを疎んじた神父たちが、ガリレイを陥れるために、教皇庁に上申したと、今では考えられているようです。
自身の人気や権力を脅かされる危険に迫られた際、人は自分の敵を疎んじ、陥れる……こうした話は、古今東西いくらでもあります。そうした危機に瀕した際に、その人の本質が見えるものではないかと、考え込んでしまう筆者なのでした。