【引きこもり】長引くひきこもりの陰で~見過ごされる中高年の発達障害~【発達障害】

これまで1年以上にわたって、ひきこもりについて取材を続けてきたクロ現+取材班。

そのなかで、当事者やその家族から数多く意見が寄せられたのが、ひきこもりと発達障害の関係だ。

「小さいころのいじめがきっかけでひきこもりになった。30代で発達障害とわかったが、つまずいた原因がもっと早くわかっていれば、ここまで人間関係に悩まなかったのでは」。「家族が精神科の受診に拒否感をし、診断が受けられなかった」。

調べてみると、ひきこもり=すべての人が発達障害ということではないものの、以前から医療関係者や支援の現場ではこの関係性について指摘されていたことがわかった。

また、発達障害が見過ごされたまま、ひきこもりが長期化し、合併症などで苦しむケースや、間違った対応で、より事態が深刻化してしまうケースも。

当事者の声をきっかけに、医療、支援現場の実態を取材した。

(中略)

ひきこもりのかげで 見過ごされる発達障害

ひきこもりの深刻化を防ぐには、家族の理解が欠かせないと指摘する専門家がいます。

「たぶん(息子は)話さない。」

「いやいやお母さん、『たぶん話さない』は、お母さんの考え。とりあえず声かけてみて。」

元精神科看護師の山根さん。

ひきこもりの当事者と親を支援するNPOを主催。これまで1700件以上の相談に乗ってきました。

山根さんの家族会に、5年間通っている70代の母親です。ここで、他の家族の話を聞いたことで息子の発達障害に気づき、診断につなげることができたといいます。

山口大学大学院 教授 山根俊恵さん

「診断がついてからどうでした?」

母親(70代)
「診断がついてから、私はすごく気持ちが楽になりました。ああそうだったから、できなかったんだと。」

その後、母親は家族会で、経験者などから発達障害の特性や接し方を根気強く学び、部屋から出てこない息子とコミュニケーションを続けました。

(中略)

ひきこもり×発達障害 なぜ見過ごされるのか

武田:取材した管野さん。ひきこもりの長期化、深刻化の裏に発達障害という原因があるという実態。どのくらい把握されてるんでしょうか。

管野記者:もちろん発達障害があるからといって、すべての人がひきこもりになるというわけではありません。

実際に115万人ともいわれている、ひきこもりの人たちすべてを調査したものはないので、正確な数字は分からないんですが、過去には2007年から2009年にかけて、全国5つの精神保健福祉センターに、ひきこもりの相談で訪れた148人のうち、およそ3割が発達障害と診断されたという調査結果も出ています。

(中略)

内山さん:発達障害はもともと子どもの障害から始まっているので、子どものときの診断の方法は、ある程度確立されています。

ただ、大人に関しては、最近、話題になってきたわけで、まだ診断の方法が確立していないと。

特に発達障害の場合、子どものときから症状があるのがポイントになるわけですけど、子どものときの症状を知る方法がない場合もありますよね。

そういう場合、情報が少なくて診断が難しいということがあります。

もう1点は、大人になるといろんな不安障害とか、うつ状態とか、いわゆる精神科的な合併症を併合している可能性が高いんです。

その場合、例えば精神科に行って、うつ状態や不安障害、そういう診断を受けるんですけど、その背景にある発達障害が見逃されやすい、見えにくいということがあります。

あともう1点は、過剰診断・過少診断という言い方をよくするんですけど、精神科医によっては、わりと安易に診断する方もいらっしゃるし、あと、立場によっては、俺は発達障害という概念はあまり使わないんだと、ほかの視点で診ていくんだ、という立場の先生もいらっしゃるので。

武田:ちゃんとした基準がないということなんですか。

内山さん:そうなんです。発達障害の場合は、脳波とか画像診断とかで分かるわけではないので、基本的には本人の今の状態から見ていくんですね。

きちんとしたスタンダードがなかなか持ちにくいと。そういう事情があります。

https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4347/index.html NHKクローズアップ現代から引用

 

エナベルで就労移行支援を受けています、ウサギの方のTです。

発達障害というのも、見逃されやすい病です。普通に生活してても見逃されてしまう発達障害。

それにもまして、引きこもりの方ではもっと見えてこないでしょう。

引きこもりの3割が発達障害を持っているというのはちょっと驚きですが…。

しかもわかったときには精神病の合併症という状態で。とにかく目の前にあるうつや不安障害とかを見ていくけれど、その背景にある発達障害には見逃されてしまうと…。

ちゃんとした基準がないという医師側や病気の問題もあるというし。もしかしたら精密に検査したら、引きこもりの3割以上の方が発達障害かもしれませんね。

ただでさえ判定が見逃されやすい発達障害。

引きこもりの方からよく聞く、「なんでこんなに生き苦しいんだろう」…という人の中に発達障害という障害がひそんでいて、生き苦しくしてるって場合もあるということですね。

発達障害ということがわかったら、少しでも生きやすくなるのかもしれないですね…

実際、この記事の締めにはそんな話が書かれています。

発達障害だったから、こんなに苦しかったんだ…とわかってホッとする人もいるといいます。

わかりにくい引きこもりと更にわかりにくい発達障害。それがクリアになった時にやっと自分と向き合えるのかもしれません。

 

 

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