【引きこもり】中高年ひきこもり―スキルを過信して会社を辞めてしまった人の末路

内閣府の中高年のひきこもりに関する実態調査では「35歳での無職の経験」が53.2%と半数以上いました。
しかも、「働いた経験」という項目では、「正社員として働いたことがある」人が73.9%におよんだのですつまり、中高年のひきこもりの方々の多くは社会人として通用していたし、社会人として「まっとうに」生きてきた人たちなのです。

(中略)

そのような「一人前の社会人」だった人たちがどのようにしてひきこもってしまうのでしょうか。
40代、50代ともなると、給料もそれなりに高額になるため、リストラの標的にされやすく、突然、解雇を言いわたされるケースも少なくありません。

また、リストラには遭わなくても、職場での強烈ないじめや過酷な労働環境などに耐えられずに会社を辞めていく人もいます。
最近では、郷里に住む親の介護のためにやむをえず退職する人も目立つようです。

中高年の人が会社を辞めると、新しい職をみつけることは至難の業で、東京や大阪などの都市部でさえ、再就職先をみつけることがむずかしくなるのです。
最初のうちは、それまでのキャリアで培った自分のスキルを少しは活かせるような職場を望んでいた人も、不採用通知の山を見ると、高望みはできないことを思い知るようになるのでしょう。食べていくために非正規やアルバイトで手を打つ方もいるわけです。

しかし、たとえばアルバイトとしてコンビニやラーメン店などで働きはじめたとします。そこにはたいてい年下の上司がいます。
20代の上司が、40代、50代の部下にえらそうに命令したり、怒鳴りつけているのを飲食店やコンビニなどで見たことがある方もいるかもしれません。
中高年の部下は自分を必死で抑えているのでしょう、頭を下げ続けていたりするのです。
ボロボロに傷つけられた心を抱えて働きつづけることにも、限界があります。

このように、ようやくみつけた非正規やアルバイトも苦痛になってしまったら、立ち直ってまた新しい職を探すのは、容易なことではありません。
また、無職の状態では体裁も悪く感じられ、友だちとも会いたくないでしょう。

 

自分のスキルに対する過信が落とし穴
問題はこのような過程で孤立に追い込まれ、以前は自分のなかにあった自己肯定感も社会に認められている感覚も両方を削られていき、アイデンティティが完全に崩壊してしまうことだと思います。

つまり、パート先で年下の上司に小突かれつづけたり、何度も面接で落とされたりしているうちに、「自分は自分でいい」という自己肯定感は低下していきます。
しかも、無職になってしまったことで、「そんな自分でいいと社会に認められている」という確信は当然のこととして、徐々にゼロに近い状態に陥るでしょう。

自己肯定感も、社会的に認められている感覚も両方を失い、生きるための「土台」であるアイデンティティが崩壊してしまったとき、人は絶望し、ひきこもらざるをえないのだと思います。さらに、最近の高齢化にともない、親の介護のためにやむをえず都会の会社を辞めて、Uターンをする人たちも増えています。

そのような人たちはたいてい、自分のスキルをもってすれば、郷里でも仕事がみつかるだろうと思っています。
ところが、地方の雇用状況は都市部よりもさらに厳しく、とくにハイスペックな人たちを雇うような会社は、地方へ行けば行くほど少なくなります。

地域社会が崩壊し、核家族化した現代において、多くの日本人が孤独と背中合わせに生きていると考えられます。
いざ何かが起きれば、このような孤独な人たちは独りで困難な局面に立ち向かわなければならないわけで、そのとき、その重みに耐えられずにひきこもってしまう人も少なくないと思います。

だからこそ、「自分は大丈夫」と高をくくっている人も「自分事」として、ひきこもりをとらえていただきたいのです。

引用元です↓

 

エナベルで就労移行支援を受けています、ウサギのTです。

私はハイスペックな人ではないですが、ハイスペックな仕事をこなしていればいるほど、郷里に帰って愕然とするんでしょうね。

都会と地方では求められる人はそんな人ではないんです。いくら気づき上げてきたスキルが高くても、それを生かせる場所が少ないのです。

私も一度東京で働いたことがあるからわかりますが、その差は歴然としています。

自己肯定感もなにも崩れ去ってしまうんでしょうね…。

悲しいけど、それが現実だったりします。だから、生きるための「土台」のアイデンティティが崩壊し、引きこもってしまうんですね。

自分は大丈夫、自分なら大丈夫…と思っていたのに…。

そうならないためにも、引きこもりを他人事と思わず、もしかしたら自分も??と思うことも考えつつ、足元をちゃんと見ていきたいですね。

 

 

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