【引きこもり】ひきこもりからの脱出 自分らしい生き方探すシェアハウスの仲間たち

ひきこもりを経験した一般社団法人「ギフテッド・クリエーティブ(GC)」代表の峯上良平さん(32)と、ニートだったメンバーの三浦彰久さん(30)が、和歌山県田辺市内で3軒のシェアハウスを運営している。かつての自分たちと同じように、生きづらさを抱える若者のための居場所には、県内外の11人が暮らし、働きながら立ち直りへの道を歩む。
「失敗しても、やり直せる場所を作りたい」。2人の思いの裏には、たどってきた苦難の道のりがあった。

同市出身の峯上さんは、高等専門学校を卒業した2010年、システムエンジニアとして大手IT企業に就職。
だが「周りから良く見られたい」と無理を重ね、入社10カ月でうつ状態に。
休職後に一度復職したものの、今度はそう状態が出て再び休職し、在籍約3年で退職せざるを得なかった。
その後の約1年半は自宅にひきこもった。「人生はもう終わった」。当時の思いを振り返る。

それでも親の勧めで実家の梅農園の作業を始めると、生活リズムの改善や作業で得られる喜びから、徐々に心身の状態が回復した。
農作業と並行し、趣味を生かした腕時計の修理販売を始め、経済的に自立できるようになった。そんな矢先の16年、現在の活動につながる出来事が起きた。

高専時代の友人が過労で自殺した。遺族を訪ねた際、友人の姉が漏らした言葉が頭から離れなかった。
「仕事を辞めても何とかなると思える場所があれば、死ななかったのではないか」。
友人の姿が仕事で追い込まれた以前の自分と重なり、そんな人たちを救いたいと考えるようになった。
18年6月、自身のひきこもり脱出体験と、症状改善のきっかけとなった梅作業の体験参加を呼び掛けるホームページ「峯上農園」を開設した。

 

仲間・居場所・仕事づくり
ホームページを見て、田辺市に移住したのが横浜市出身の三浦さんだった。大学時代の就職活動で、うつ状態になった。
背景には長く目標にしてきた公認会計士の受験に失敗したという挫折があった。
結局、大手メーカーに就職したが、組織になじめず10カ月で退職。
その後、四国の遍路巡礼者向けの宿舎の運営などを行うNPO法人の手伝いで四国や千葉県を転々とした。

そんな生活が5年ほど続き、「この生活から抜け出し、拠点を持ちたい」と考えていた時、峯上さんのホームページを知り18年8月、初めて田辺市を訪れた。
峯上さんと意気投合し、3カ月滞在した後、いったん田辺市を離れたが19年1月に再び戻ってきた。

当時2人は共同生活をしていたが、峯上さんを頼って、新たに1人増えることになった。
家が手狭になりそうだったちょうどその頃、知り合いのゲストハウス経営者からJR紀伊田辺駅近くの2階建て物件を紹介された。
19年6月に第1号のシェアハウスがオープン。
同年9月と20年4月には田辺市の市街地に第2、3号を開設した。「仲間・居場所・仕事づくり」をテーマにした2人の活動は、大きく動き出した。

 

仲間のピアサポートは「生命維持装置」
同じような境遇の人たちが互いを支え合う――。
シェアハウスでは、「ピアサポート」の考え方が取り入れられている。同居する当事者の助言を得ながら働き、社会の多様性を担う一員になっている。

(中略)

 

「多様な視点」持つきっかけに
藤原農機の東直斗執行役員(31)は、こうした若者を迎える企業側の利点として「多様性」を挙げる。
従来、同社のアルバイトは朝~夕のフルタイム勤務が原則だったが、働きやすいように午前、午後のみの形態も導入した。
「さまざまな人材を受け入れることで多様な働き方や価値観が生まれる。多くの客と接するサービス業にとって、多様な視点を持つことは重要」と述べる。

GCの周りでは新たな動きも生まれている。2月に精神障害のある20代の男性入居者が、フルタイムのテレワーク勤務で大手鋼材専門商社に採用された。
峯上さんは「在宅でできるテレワークは障害者にとってストレスが少なく、メリットが大きい。これからも増えると思う」と期待する。
県が21年度から取り組む「農業によるメンタルヘルスケア推進事業」の実施にあたっては、県の担当者がGCの活動を視察に来たという。
県の事業者募集に申し込む予定だ。
今後の活動について、峯上さんは「就労ではなく、若者たちが自分らしく生きられることがゴール。そのための選択肢を増やしたい」。
三浦さんは「仲間と居場所さえあれば再挑戦できる。そんな場所を作りたい」と意気込んだ。

https://mainichi.jp/articles/20210522/k00/00m/040/095000c 毎日新聞から引用

 

エナベルで就労移行支援を受けています、ウサギのTです。

引きこもりの人たちがシェアハウスでお互いを支えあいながら暮らしていく…。

言うのは簡単ですが、かなり大変だったんではないかなと思います。

元引きこもり当事者の方と元ニートの方二人で立ち上げたシェアハウス。

特に引きこもり当事者の方のお友達が過労で自殺。
「仕事を辞めても何とかなると思える場所があれば、死ななかったのではないか」。

その言葉が突き動かしたんだと。仕事を辞めても居場所さえあれば…。そんな思いで同じ境遇にいるであろう人たちを救おうという活動に。

その元引きこもり当事者の峯上さんの作った

自身のひきこもり脱出体験と、症状改善のきっかけとなった梅作業の体験参加を呼び掛けるホームページ「峯上農園」。

ホームページに引き寄せられて、職を転々としていた三浦さんが田辺市に移住。

そこからシェアハウスの原型ができて、今では市内に3つもあるという。

同じような境遇の人たちが互いを支え合う――。その仲間の輪がどんどん広がって行ったんですね。

「さまざまな人材を受け入れることで多様な働き方や価値観が生まれる。多くの客と接するサービス業にとって、多様な視点を持つことは重要」

藤原農機の東直斗執行役員さんが言う言葉。多様な視点がなくては多くのお客さんを相手にできませんよね。

だからこそ、「そのための選択肢を増やしたい」。「仲間と居場所さえあれば再挑戦できる。そんな場所を作りたい」と意気込んだ…

二人のこのシェアハウス創始者の今後の活動についての話が生き生きと聞こえますね。

 

引きこもりからの脱出。それだけでかなり難しい困難な事だと思います。

シェアハウスで、仲間と居場所を得て、救われる…そんな人が少しでも多くなればいいなと思います。

 

 

 

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